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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

凝集剤で汚れを浮上! 塗装ブース清掃の救世主
プロセスイノベーション株式会社 代表取締役 山下淳一

 
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インタビュアー 山本隆弘(元バレーボール選手)
山本 栃木県宇都宮市で化学薬品、工業用薬品を販売しているプロセスイノベーション株式会社さん。山下社長はもともと、ショットバーを経営していたそうですね。
 
山下 そうなんですよ。でも、35歳の時に父親が経営参加する精密機器メーカーからお呼びがかかり、会社員に転身したんです。そちらの会社ではキヤノンの下請けとして、交換レンズの製造や塗装をしていました。その仕事では、塗装ブースのメンテナンスに使用する凝集剤の販売もしていたんです。ところが、この事業だけは思うように売り上げが伸びなかったんですよ。さらにコロナ禍による経営難もあり、会社が凝集剤販売事業から撤退するという話になった時にその事業を引き受ける形で独立しました。
 
山本 赤字だった事業で起業されたわけだ。不安はなかったですか?
 
山下 不安もありましたが、前職で営業部長をしていたので人脈があったのと、現場の方たちに必ず喜んでもらえる商品だという自信もありました。それに、企画段階から携わっていた商品で思い入れもありましたから、不安よりも成功させたいという思いのほうが強かったですね。
 
山本 強い意志のもと、自信を持ってスタートされたと。ところで、「塗装ブースで使用する凝集剤」とは一体どういったものなのでしょうか? なじみがないのでピンとこなくて。
 
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山下 例えば、山本さんがお持ちの携帯電話も塗装がされていますよね。そうした商品などの塗装を行う際、塗装ブースというものの中で作業します。塗装対象物に付着する以外の塗料、いわゆるオーバーミストをキャッチするのがブースの役割です。塗料で汚れてしまったブースの清掃は、専門業者を呼んでバキュームカーで吸い上げる必要があり、手間もコストも莫大なものでした。しかし、弊社の凝集剤は、水の中に粉末薬剤を入れるだけで、水と塗料が分離して浮上してくる仕組みになっています。その浮いた塗料を網ですくえば、清掃は完了です。ここに塗料で汚れた水を用意しました。実際に、凝固剤を混ぜて撹拌してみますね。
 
山本 わぁ! みるみるうちに汚水が透明になりました。これはすごい。汚れって下に沈むイメージがあります。浮くというのはなかなかないのでは?
 
山下 おっしゃるとおりで、他メーカーでも凝集剤はたくさんあるものの、汚れが沈むものが主流であり、浮上するタイプは珍しいと思います。