鎮西　私はこれまでに引越しなどでいろいろな物件を見てきました。でも、排水口はチェックしても、その奥の状況まで気にしたことはありません。排水管って毎日使うものだから、もしトラブルがあれば一大事ですよね。集合住宅だと漏水が起きたら近隣の方への迷惑にもなります。
 
須藤　逆流した汚水による直接的な被害はもちろん、悪臭も大きなストレスになりますからね。築年数にもよるものの、集合住宅なら年に1回、戸建て住宅なら5年に1回は洗浄したほうが良いでしょう。
 
鎮西　築年数にもよるということは、排水管のトラブル原因は経年劣化が多いのでしょうか？
 
須藤　ええ、無視できない原因ですね。排水管は水が流れやすいように勾配をつけて設計されています。しかし、経年劣化で排水管が歪むことで勾配の機能が低下し、詰まりやすくなってしまうんですよ。そのほかトラブルの理由としては、排水管の使用方法もありますね。
 
鎮西　使用方法とはどういうことでしょうか？
 
須藤　トイレでトイレットペーパー以外の物を流したり、洗濯時に洗剤や柔軟剤を過剰に使用したりするなど、排水管に負担をかけるような使い方をすると、水の流れが滞ります。また、ラーメンで残ったスープなど、油を直接キッチンの流し台に捨てるのも危険です。ラードがロールケーキみたいな塊になって、排水管を塞いでいる事例もありましたね。
 
鎮西　うわぁ、目を覆いたくなるような状況ですね（笑）。そういう悲惨な汚れもきれいにできるんですか？
 
須藤　高圧洗浄機のホースを管内に挿入し、ヘドロを洗い流します。こびりついた汚れはトーラーという機械で削り落とします。