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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

高齢者から小児まで
予防歯科で健康を守る

 

先端分野だった時代から予防歯科に取り組む

 
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内山 もともと、野中院長が歯科医を目指されたきっかけは何だったのですか?
 
野中 オイルショックです(笑)。というのも、私は最初、エンジニア志望で理工系の大学に通っていたんです。ただ、在学中にオイルショックがあり、「地球資源の枯渇に関わる仕事より、人の役に立つことがしたい」と考えをあらためました。ならば健康や医療の分野だと思い、歯学部に入り直したんですよ。
 
内山 なかなか思い切った方針転換でしたね。その後、歯学部を卒業されてからの歩みも気になります。
 
野中 横浜市内の歯科医院に9年間勤めました。通常、歯科医は約3年で開業する人が多いので、周りの3倍長く勤務医を経験したことになりますね。その医院の先生には、大変お世話になり、特に予防歯科について深く学ばせてもらいました。最近では予防歯科の重要性が世の中に浸透してきたものの、私が歯科医になった当時は、まだまだ最先端の取り組みとされていたんですよ。
 
内山 野中院長や恩師の先生のお取り組みに、時代が追いついたわけだ。ちなみに、"予防歯科"とは具体的にどのようなことを指すのでしょう。
 
野中 患者さん目線では、痛みが出てから歯科医院で治療をするのではなく、定期的に健診やメンテナンスに通うことですね。私たち歯科医目線では、治療することなく口内環境を整えて維持することを、患者さんに意識していただけるようサポートすることを指します。
 
内山 そういえば私は以前、知らずに放置していた虫歯のせいでひどい目に遭いました。痛みがなくても定期的に歯科医院に通ったほうがいいと、文字どおり痛感しましたよ。
 
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野中 虫歯は初期発見できれば、削る量も減らせます。そういった面でも、定期的な歯科医院の通院は良いことですよ。
 
内山 そうなると、患者さんとの付き合いも自然と長くなりますよね。患者さんと接する中で、野中院長が気を付けておられることはどんなことですか?
 
野中 きちんとお話を聞くことです。一方的な診断やアドバイスでは、患者さんのご要望とすれ違いが生じかねません。ですので、私はカウンセリングに1時間ほどかけ、じっくりとお話をうかがいます。その中で食事や姿勢など生活習慣についてもうかがい、時には食生活の見直しや姿勢を正すためのアドバイスなども行っていますよ。
 
内山 1時間も! しっかりと時間をかけて、患者さんと一緒に現状の問題を分析し、改善に向けて取り組んでおられるんですね。