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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

北海道産スペルト小麦で 風味豊かな焼き菓子を!
Dinkeltorte 代表 大山尚隆

 
プロフィール 青森県出身。ブラッスリーでパティシエとして修業を積んだ後、レストランに転職してドイツの菓子づくりに打ち込む。その中で、小麦の種類による味の違いに着目。小麦の風味を活かす菓子づくりを模索し、古代種のスペルト小麦と出合った。北海道産スペルト小麦の仕入れが可能になったことを機に独立し、2019年5月にDinkeltorteをオープンした。【ホームページ
 
 
 
国内では北海道など、限られた場所でのみ生産されている「スペルト小麦」。品種改良をしていない、この希少な古代小麦を使った焼き菓子をつくる専門店が、東京・小金井市のDinkeltorte(ディンケルトルテ)だ。代表の大山尚隆氏は、ただ甘いだけの最近の焼き菓子に異議を唱え、しっかりとした食べ応えのあるお菓子を提案。農家の苦労にも報いるため、小麦本来の味わいが活きた焼き菓子づくりに挑戦している。
 
 
 

「スペルト小麦」を使った焼き菓子専門店

 
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インタビュアー 吉井怜(女優)
吉井 今年2019年5月にオープンしたDinkeltorteさん。店名はドイツ語だそうですね。
 
大山 そうなんですよ。ディンケルは「スペルト小麦」の意味で、トルテはケーキなどのお菓子のこと。つまり「スペルト小麦でつくったお菓子」という意味なんです。
 
吉井 スペルト小麦とは初めて聞きました。そちらは後ほどゆっくりうかがうとして、まずは大山代表のご経歴からお聞かせください。
 
大山 私はもともと東京・丸の内の有名ブラッスリーで修業しており、2017年10月からはレストランに勤務してガトーショコラやシュトーレンなどドイツのお菓子をつくってきました。その中で私は、使う小麦の違いによる味の変化に気付いたんです。それをきっかけに「もっと違う小麦も使い、味わいの強いお菓子をつくってみたい」と考えるようになり、出合ったのがスペルト小麦でした。スペルト小麦をパンなどに使っているお店はあるものの、フィナンシェやマドレーヌといった焼き菓子に使用している店は、ほとんど存在しないことも知ったんです。