八木　確かに、豆腐に絵や文字が浮かんできたら食卓が楽しくなりますね。それに、料理の初心者は灰汁を取るたびにスープまで減ってしまうこともあり、味もばらつきがちですし、灰汁だけが取れるのはとても便利だと思います。ご自身が培ってきた発想力を再び活かして、新たな事業を開始したわけですか。
 
吉田　そうなんです。弊社が取得した知的財産、特に特許を生かし企業とライセンス契約を結び、企画や提案を行う事業ですね。その後もアイデアを思いつき、次に特許を取得したのがGPSを搭載した靴の中敷きでした。
 
八木　GPS搭載の中敷きですか。一体どのような特長があるのか、とても気になりますね。
 
吉田　この中敷きは世界初の、歩いて発電・充電・蓄電・GPS・脱着可能なICチップを搭載した多機能型の中敷きです。これで認知症の方の徘徊や子どもの迷子、登山者の遭難事故が起きたりした場合、家族や警察などにいち早く場所を知らせることができるんです。また、歩きながら脈拍や健康状態を測定するウォーキングレコーダー機能や、ICチップを搭載することでクレジット機能を持ち駅の改札時にカードをタッチすることなくそのまま出入りできる仕組みも考案しました。
 
八木　それはすごい！　まさに可能性は無限大だ。それらが実現したら、必ず社会に役立つでしょうね。豆腐や靴の中敷きなど、これまでに吉田社長が特許を取得したアイデアは、すでに商品として形になっているんですか？
 
吉田　現在は商品の製造を行うパートナー企業やスポンサーを開拓しているところで、少しずつ実現に向けて動き出しています。例えば豆腐であれば、近年はヘルシー食品としてアメリカや海外などでも注目されていますので、絵や文字が浮かぶ楽しい豆腐として需要が見込めます。また、食育としても、学校給食などで子どもたちに楽しく食べてもらうことも期待しています。それらを踏まえて、このアイデアを実際の商品にしたいと思っていただける企業さんに巡り会いたいですね。
 
八木　吉田社長の豊富なアイデアが詰まった楽しく便利な商品で、消費者に喜んでもらえて、パートナー企業も利益を得られるとなれば最高ですよね。ぜひとも実現してもらいたいと思います。