“壊す”というと、そこで全てが“終わり”になってしまうイメージを持つ人が多いだろう。株式会社サンライズの酒井一謹代表取締役も、肘を壊して野球を諦めざるを得なかった経験がある。その酒井社長は、建物を壊す──解体工事を生業としている。だが、壊すことは必ずしも“終わり”ではない。“始まり”のために“壊す”というのが酒井社長の持論。同社では施主の新たな歩みをサポートするべく業務に励んでいる。
野球選手を目指した学生時代
酒井 鈴木さんの出場されるゲームは必ず3塁側で観戦しました。そのほうが、リードや走塁のテクニックがよくわかるからです。
鈴木 嬉しいなぁ。酒井社長も学生時代は野球をしていらしたのですか?
酒井 はい。プロ野球選手を目指して熱心に練習していたのですが、肘を壊して辞めざるを得なくなりました。夢破れたショックから、高校生の頃は生活が荒れていましたね。
鈴木 私も現役時代は頻繁に故障をしていましたから、その辛さはよくわかります。
酒井 また当時、父親は不動産業を営んでおりまして、バブルの崩壊で経営が苦しくなり、私は家計を助けるために毎日アルバイトをしていたんです。休日前には夜勤にも入るという過酷な生活で、自分の運命を恨んだものでした。