石黒　私の友人には元看護師さんやキャビンアテンダントなど、専門的な技能を持っているのに、子どもを預ける場所がなくて専業主婦を選んだ人がたくさんいます。その姿を見ていると、もったいなく感じることもあるんです。保育の環境さえ整えば、子育てと並行して働く女性は増えるでしょうし、自分のために時間を使うことも可能になる。辻社長のように、仕事と子育てを両立させる環境づくりを進めている方がいらっしゃると心強いですね。ちなみに、辻社長や保育士さんがママたちと接するうえで、最も大切にしていることはなんでしょうか。
 
辻　それは挨拶をすることですね。世の中のお母さん方で、家族から「行ってらっしゃい」「お帰りなさい」と言ってもらえる人は少ないと思うんです。だから朝、お子さんをお預かりするときは「おはようございます。行ってらっしゃい」と笑顔で送り出し、お迎えのときも「お帰りなさい。お疲れ様でした」と、保育士が元気にご挨拶をする。それだけで、お母さんの子育てへの気持ちも変わってくるのではないでしょうか。
 
石黒　子どもは大人たちの姿を、意外なほどよく見ていますからね。大人がきちんと挨拶する保育園で過ごしていれば、子どもたちも挨拶ができる大人に育ちますよ。辻社長が、子どもだけでなく、ママや保育士さんたちなど、“人”を大切にしていらっしゃることがよくわかります。辻社長は今、充実感でいっぱいの毎日ではありませんか。