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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

職人の視野の広さを重視
俯瞰力が際立つ鳶集団

 

“職人が一生働ける会社”を目指して

 
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時東 社内の環境づくりで他に意識されていることはありますか?
 
永田 挨拶をすることですね。声が小さかったら、やり直しをさせます(笑)。相手に聞こえない挨拶は、挨拶じゃないと教えているんです。
 
時東 私も父からそう教わりました! その教えが今の仕事にも役立っているので、挨拶の大切さはよくわかります。
 
永田 それは新人に限ったことではなく、偉い立場にあっても頭を下げて、きちんと挨拶することが大切だと思いますね。そうすると組織が自然とまとまるんです。現場から現場へと移りながら仕事をする職人の世界は、そういう基本をもとに団結力を育むことが大事。そのおかげか、一度辞めても何年か経つと戻ってくる人が弊社には多いんですよ。
 
時東 それだけ戻りたくなる場所なんですね。
 
永田 “戻れる場所”という方が正確でしょうか。例えばプロ野球でも、選手が移籍の表明をするFA宣言をしたら残留禁止の球団があるけれど、「あの時はすみませんでした、戻らせてください」と頭を下げられちゃあ敵いませんよ(笑)。中にはそういう社員を許さない経営者もいるでしょうが、人材は会社の財産ですから、私は許すんです。
 
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活気ある社内研修の様子
時東 戻ってきた職人さんも、外での経験を積んで成長するからこそ、素直に謝れるのかもしれません。挨拶と同じで、素直にお願いしたり、謝罪したりできるっていうのも大事なことですよね。
 
永田 人間ですから、私だってミスをしたら社員に謝りますしね。ただ、性格や感情の起伏によっては、素直に溜飲を下げられない人がいることも事実です。その際は、一方的に押さえつけるのではなく、時には相手に合わせた方法で接することも肝心だと思っています。
 
時東 職人さん一人ひとりをとても大切にしていらっしゃるんですね。芸能界、特にアーティストの世界では、大人数だからいつメンバーが入れ替わっても大丈夫、というようなグループが増えてしまっています。でも、永田社長の考えは、その流れとまるで逆ですね。
 
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現場で使われる資材
永田 旅ガラスではないタイプの職人が増えているんです。弊社としても、職人さんの受け皿になれるような、一生働ける会社を目指して体制づくりをしている最中。それに私としても、職人たちの成長を見守れることは、経営者冥利に尽きます。技術で先輩に追いつこうと奮闘している若者なんて、若い頃の自分と重なりますしね。
 
時東 そういう喜びって、現場を長く知っている方じゃないとなかなか持てないと思います。
 
永田 それが今いる若い子たちは、私を大学の経営学部出身だと勘違いしているんですよ(笑)。この前も「社長って足場組めるんですね!?」って驚かれちゃって、参りました。
 
時東 すごく和気あいあいとした光景が目に浮かぶようです(笑)。