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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

高い安全性を目指す
ロープ操る高所作業会社

 

IRATAの認知度を高めて取得者を増やす

 
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実際に使用する器具を見せてもらう城さん
 ロープアクセス作業は、海外ではどのように扱われているのでしょう。
 
苅谷 限りなく専門職に近いですね。品質保証にISOがあるように、ロープアクセスにもISO(ISO22846) があります。このISOを技術的に100%準拠できているロープアクセスの資格がIRATA(アイラタ)です。国によっては「この資格の取得者は仕事に困らない」と言われるほどで、世界50ヶ国で資格保持者が活躍しています。日本では建設業やビル管理業の方でも、IRATAを知らない場合がほとんどですが・・・。
 
 僕も初めて耳にします。取得は難しいのですか?
 
苅谷 取得はもちろん、維持するのもハードです。まず、レベルが1、2、3とあり、1は「自分自身が安全に作業を行うスキル」、2は「レスキュースキル」、3は「レスキュー計画を組み込んだ作業案の構築」がクリア条件です。ステップアップには資格取得後1年以上の期間を空けることと、1000時間以上の実務経験が必要とされます。
 
 テストを受けようってだけでも、いろいろと大変なんだ。
 
苅谷 しかも、資格は3年ごとの更新性です。定められたトレーニングとテストをクリアできなければ、どんなベテランでも、全ての資格を喪失してしまいます。
 
 サッカーの指導者ライセンスのほうが簡単に取得できそうだ(笑)。でも、命を守るのだから、その厳しさも当然なのでしょうね。ちなみに、どれくらいの人が取得しているのでしょう。
 
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苅谷社長が実践!
苅谷 世界で約10万人。日本では250~300人くらいですね。
 
 そんなに少ないんですか! 何か理由があるのですか?
 
苅谷 1つには、先ほども述べた通り認知度の低さがあります。しかし窓清掃業等は業歴も長く、ロープを使用した作業を行う作業員が多くいるため、決して労働人口が少ないわけではないんです。それなのに取得率が低いのは、IRATA向けのトレーニングが可能な施設が少ないことや、安全意識の低さがあげられると思います。現在、私が関わる神奈川県の施設を含めて、IRATAを取得できる施設は国内に3ヶ所しかないんですよ。
 
 サッカーでは、普及のためにまずコートが全国につくられました。ロープアクセスでは、ハード面がまだ整備されていないんですね。
 
苅谷 そうですね。現在はロープアクセスのトレーニングが日常的にできる場所がないので、そういった施設があればいいと以前より思っていました。