濱田　近年は雇用の問題をはじめ、セクシャルハラスメントやパワーハラスメント、賃金未払いなど、様々な労働相談が増え続けています。特に中小企業の場合「この会社は自分のものだ」というオーナーの意識が強い場合が多く、改善を要求する社員に「嫌なら明日から来るな！」と言ってしまう方もいるんです。問題がこじれてしまうと、労働者、または事業主から特定社会保険労務士に相談をいただくことになります。

 

川上　そんな事態になる前に、問題を解決するのは無理なのでしょうか。

 

濱田　労働紛争は、それを規制する法律があることを知らないために起きる場合がほとんどなんですよ。例えば、育児や介護を理由に不利な扱いをしてはならないと育児介護休業法で定められているのに、経営者はもちろん同僚まで「休まれると困る！」と感情的になって、社員の休業を拒むケースがあります。こうした法律があるのだから守らなければなりません。人手が足りなくても、「その間はみんなでカバーし合ったりアルバイトを雇ったりしてみてはいかがですか？」と説得するのも私たちの仕事です。

 

川上　そのためには、法律を守ることの大切さを説いていかなければなりませんね。