プロフィール 神奈川県出身。高校時代、16歳の時に母親が勤めていた産業廃棄物会社で経理のアルバイトを経験。19歳から塗料の製造メーカーに入社し、22歳の時に物流部門をアウトソースされるタイミングで倉庫管理責任者としてヘッドハンティングされる。以来、2つのメーカー系物流倉庫および2つの物流会社での勤務を経て、2014年(株)神静イノベーションを設立した。中小小売の発送代行や保管業、物流コンサルティングなどの業務を行っている。【ホームページ】
物流業は単純な力仕事という旧弊な見方に異を唱え、多様なニーズに応える繊細さを求めて、女性のパートタイマーたちと共に株式会社神静イノベーションの業務に邁進する平山斉宏代表取締役。ネット通販の拡大で多品種・小ロット化が進んだ今の物流状況をまっすぐ見つめ、中小小売の物流代行に意欲を燃やす平山社長に、今後の物流業界はどこへ向かうのか、さらに流通による地域活性化の可能性についてもうかがった。
ネット時代の物流は繊細さが不可欠!
杉田 神静イノベーションさんは通販物流の代行や倉庫での保管サービスを行う物流会社とお聞きしています。ネットで何でも買えるようになりましたし、私のように物流のことをよく知らない消費者の立場から見ても、1990年代頃から商品の流通の仕組みは大きく変わったと思うのですが、いかがでしょう。
平山 おっしゃる通りです。大口の少ない送り先に同じ荷物を大量輸送するのが昔ながらの物流のあり方だとすると、今はネット通販を安定的に運営できるインフラが整った結果、多品種・小ロットで商品を動かすことが可能になりました。そうなると当然、物流に伴う保管やピッキング、梱包といったプロセスも単純作業では済まなくなるわけです。それに、ネット通販は個人宅に送ることが増えるので、法人向けよりさらに神経を遣います。
杉田 わかる気がします。対面販売でもお客さんの目は厳しいですから、通販となると、なおさら厳しいのでは?
平山 ええ、今はSNSで誰でも自分が受けたサービスについて発信できます。物流会社の対応が悪い印象を与えると、それがすぐさまショップの評判を下げてしまいますからね。BtoBは大量輸送が中心なので倉庫内作業の機械化もしやすいんですが、個人のお客様が相手だとそうはいかない。逆に言えば、BtoCで通用するだけの管理レベルを達成できていれば、BtoBの対応も万全ですね。