宮地 「こわだアルミ工芸」さんは、カーポートやウッドデッキ、テラスやサンルームなどの取り付け工事を行っておられるそうですね。アルミ素材での施工は業界でも珍しいのではないですか?
小和田 はい。そのせいか、カーポートをつくりに行くと「カーポート屋さん」、テラス仕事の時は「テラス屋さん」と呼ばれます(笑)。私としては一貫して「アルミ職人」という考えで、23年間取り組んできました。とはいえ、この仕事に出会うまでは紆余曲折がありまして・・・。
宮地 興味深いです。ぜひ、小和田代表の歩みをお聞かせください。
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小和田 最初の仕事は内装業でした。高校の先生に紹介されて就職した東京の会社で、装飾テントの施工に3年間従事しました。並行して音楽のバンドを組んでいましてね。メジャーデビューもしたんですよ。
宮地 メジャーデビューされていたとは、なかなかないご経歴ですね。
小和田 そうでしょう。ただ、プロの世界は厳しく、音楽の道は諦めました。次に入ったのが飲食業界です。パンやケーキのお店を併営していた楽器屋さんに勧められてパンづくりを覚え、レストランでコック修業もしました。その後は、かつてのバンド仲間の紹介で飲食店も経営しましたが、展望が見えず、30代に入った頃に区切りをつけまして。そのまま悶々としていた頃に見つけた求人広告がきっかけで入ったのが、リフォーム業界だったんです。そこで出会った職人さんを通じて、アルミ加工の会社に勤めることになりました。
宮地 そこから現在の事業につながるわけですね。でも、飲食業とは畑違いのお仕事でしょう。違和感はありませんでした?
小和田 それが、何の抵抗もなかったんですよ。実家が工務店だったので職人の世界には慣れていましたし、高校では建築を学んでいたのも大きかったと思います。半年間の研修を受けただけで独立する気になったのも、その前の内装業の経験でリフォームの基礎を心得ていたからでした。ただ、今だから白状しますが、お客様にキャリアを聞かれた際はどうしても「半年です」とは答えられず、サバを読んでいましたね。
宮地 でも、その気持ち、わかるな。あえて身の丈以上に見せるべき時もありますよね。そうやって自分を追い込むというか。