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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

大きな笑顔の樹の下に
地域住民が憩い暮らす町

 

地域福祉の拠点として

 
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何かとみんなで集まる大食堂。窓の外に広い空き地が見える
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廊下が広く、すれ違いもゆったり。ベンチではおしゃべりに花が咲く
吉井 地域福祉・・・ですか。高齢者福祉とおっしゃらないのは、あえてでしょうか。
 
久保 よく気付いてくださいました。立ち上げから間もないので体制が整うのはこれからですが、将来的にはお年寄りだけでなく子どもたちも集まる地域の一大福祉拠点にしたいのです。具体的には、同じ敷地内に託児所や学童クラブを設置することを考えています。
 
吉井 核家族化でお年寄りと子どもが交流できる機会が全体的に減っています。そこで複合施設ができれば、いろんな相乗効果が生まれそうですね。
 
久保 老人ホームで暮らすお年寄りには、「家族と一緒に住みたいのに住めない」という事情を抱えた方が少なくありません。そこには“寂しい”という感情があって当然だと思うのです。子どもに関しても、私は大学で児童学を学んだ際にボランティアで児童相談所や養護学校などを回ったことがあり、また、その当時は子どもの虐待が社会問題としてクローズアップされ始めた頃で、何か自分にできることはないかと考えていました。そのことも、子どもからお年寄りまでが触れ合える地域福祉の場をつくった理由の1つです。
 
吉井 託児所はスタッフの方も利用できるんですか?
 
久保 もちろんです。当社で働くスタッフが育児と仕事の両立で悩まないようにしてあげたいですからね。大きな病院や社会福祉法人では託児所完備の施設も少なくありませんが、私企業の有料老人ホームでこの形態はほとんどないはずです。
 
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吉井 子どもが職場のすぐ近くにいれば、子どもの突発的な病気にも対処できますし、送り迎えの手間も省けるから働きやすいでしょう。
 
久保 先程の「笑顔の花が咲く樹であるように」との思いから言っても、サービスを提供する側が笑顔でなければ、利用者様の笑顔は引き出せません。そしてスタッフを笑顔にさせるには、幸せを感じつつ、安心して働いてもらえるようにしていかないと。
 
吉井 働いていて安心できる環境って、大事だと思うんです。かく言う私も、以前は周囲の方々への感謝が欠けていたせいで苦しくなった時期がありました。1人で舞台を背負っている気になってしまい、それがいつのまにか「誰にも頼れない」という苦しさに変わっていったんです。あれはつらかったなぁ。