プロフィール 千葉県出身。大学を卒業後、外食産業大手に就職した。在籍していた7年のうち、5年間は店長職を務めて経験を積み、退職。1年間の放浪の後、コンクリートの品質管理を行う会社に入り、技術者として働く。後に同社が新規に始めた人工芝事業の責任者となり、人工芝の魅力を知った。その後、培ったノウハウを活かして2014年にワイズ・ヴェルデを興した。【ホームページ】
怪我防止のため土のグラウンドを芝生に変える学校や保育施設が増えている。しかし天然芝はメンテナンスに手間がかかり、枯れることもある。そこで注目されているのが人工芝だ。従来の人工芝はお世辞にも優れものとは言えなかったが、最近では天然芝に近い製品や遮熱効果に優れた製品も登場している。多くのラインナップをそろえ、販売から施工までを手がけるワイズ・ヴェルデの山田康幸代表に、進化を続ける人工芝事情をうかがった。
進化した人工芝にビジネスチャンスを確信
本田 ワイズ・ヴェルデさんは人工芝の施工・販売をしているそうですね。人工芝はサッカー選手にとって非常に身近なものです。公式戦を行うのは天然芝のグラウンドでしたが、練習に使う場所は人工芝の所も多いですからね。それに、昔と比べると最近の人工芝は品質が高いものが多いと思います。
山田 そうですよね。昔の人工芝はペラペラに薄く、見た目にも触れてみても“つくり物”とすぐにわかるものが大半でした。私が前職で勤めていたのは、もともと技術者派遣やコンクリート、鉄筋の品質管理・検査を行う建設コンサルタント会社だったのですが、業界全体の不振もあり人工芝を新規事業として扱い始めたんです。その事業の責任者を任された時、昔のイメージがあったものですからニーズがあるのか疑問に思い、大反対しました。ところが携わるうち、人工芝の進化ぶりに気付きましてね。「これは奥が深い!可能性も大いにあるのでは?」と感じ、起業を決めたのです。
本田 最近の人工芝は本物と見分けがつかないようなものがあります。品質が良くなっている証拠ですよね。
山田 ええ。かつては芝の毛足が短く、ペラペラだったりチクチクしたりするような人工芝とか、充填材に硅砂が用いられているものが主流でした。そのうちに毛足が長いものや、よりリアルな人工芝が開発され、さらには充填材が不要なタイプも登場したんです。現在では表面温度の上昇を抑制する、遮熱タイプの人工芝も登場していますね。