プロフィール 千葉県出身。大学卒業後、中堅商社で農業資材のマルチやビニルハウスの取り引きに携わり、30年以上活躍する。退職後、知人の勧めもあってインドネシア産の天然有機質リン酸肥料「グアノ」に着目。2008年に設立したフロンティアホールディングス(株)で輸入販売を開始する。日本の有機農法普及に強い意欲を持ち、その牽引者たることを自らに課している。【ホームページ】
「食」の安心・安全に国民的な関心が高まる中、国の施策にも盛り込まれて徐々に普及しつつある有機農業。それを支える有機肥料として有望な、匂いがなく100%天然のインドネシア特産化石肥料「グアノ」にいち早く目をつけ、輸入販売を手がけるのがフロンティアホールディングス株式会社の永塚憲文代表取締役だ。無尽蔵の自然の恵みをアピールすることに安住せず、付加価値の開発・提案に余念がない。そんな永塚社長の取り組みに迫った。
サンゴ礁に堆積した生物由来の化石を肥料に
杉田 フロンティアホールディングスさんでは有機肥料の輸入販売をなさっているとうかがいました。実は私も有機栽培を以前から勉強していて、趣味で野菜などをつくっています。だから今日のお話には興味津々なんです(笑)。具体的にどんな商品を扱っているのか、ご紹介いただけますか?
永塚 当社の扱う商品では、インドネシア産の天然有機質リン酸肥料「グアノ」が主力商品で、その他に農業用玄米黒酢などを販売しています。
杉田 グアノは聞いたことがあります。確か、原料は化石ですよね?
永塚 ええ、サンゴ礁の上に蓄積した海鳥の糞、死骸、卵、魚骨、海草などが化石化したものです。
杉田 それこそ何千年という長い時間を経て生み出されたものなんでしょうね。
永塚 そうですね。それに、今ではたくさんのお客様にご利用いただいていますけど、最初からすんなり受け入れられたわけではありません。有機肥料自体が、日本の農業で本格的に注目され出してからまだ日が浅いですからね。グアノの場合も、会社を立ち上げた2008年以降、初めの3年間は本当に苦戦しました。