B+ 仕事を楽しむためのWebマガジン

経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

企業活動を支援する
高品質のデザイナー

 

「安ければデザインの優劣は不問」は危険

 
130306_k1038_t001.jpg
吉井 正解がわからないのは、女優の仕事と同じですね。同じ台本でも役者によって表現が変わりますし、演出家によっても変わります。「こうじゃないかも」 「もっといい演技があるかも」 と考えながら表現を追い求める柔軟性が必要で、でも、それを楽しいと思える瞬間があるから続けられるんです。きっと仕事ってそういうものなんでしょうね。
 
島村 その通りだと思いますよ。私も会社を移った時に、それまで自分のしてきた仕事を全否定されたことがあります。しかし、そこで意固地になるのではなく、いろいろな考え方を素直に受け入れたことで、自分のデザインの幅が大きく広がりました。そんな柔軟性を持つのに加え、もう1つ大事なことがあります。
 
吉井 興味深いです。そのもう1つとはどんなことですか。
 
島村 クライアントとのコミュニケーションを深めることです。私は、自分の好きなものだけをつくるアーティストではありません。もちろん、デザインにアートの要素は必要ですが、それよりもクライアントの意向を上手に引き出し、商品として成り立つものをつくり上げるのが仕事なのです。だから、「何色が好きなのか」 ということから始まり、クライアントの発するあらゆる言葉をヒントに、クライアントの意図とこちらがお薦めする見せ方の両方を折衷して、商品をつくるんですよ。
 
吉井 クライアントの意見をしっかりと把握してこそ、斬新なデザインが生まれるものなんですね。ところで島村さんは、今のデザイン業界をどんなふうに見ていらっしゃいますか。
 
島村 パンフレットにしろホームページにしろ、「安くつくれればそれでいい。デザインの優劣は問わない」 という考え方が広まっている気がします。でも、それは大変危険だと思いますね。デザインが商品の売れ行きを完全に決めるわけではありませんが、それを左右する大事な要素の1つなのですから。
 
吉井 ないがしろにしてはいけませんよね。
 
130306_k1038_d01.jpg
島村 ええ、クライアントの皆様には、ぜひデザイン会社の実績を調べ、アイデアを聞いたうえで、いいデザインを一緒に考えてもらえる会社に発注してほしいです。そんな判断をしていただければ、業界も変わっていくのではないかと。もちろん、私自身も努力を続けなければいけません。
 
吉井 大手企業のロゴなど、企業活動を支える重要なデザインを手がけてきた島村さんならではのご意見ですね。それでは最後に、今後の夢や目標を聞かせてください。
 
島村 先ほども申しましたが、私はアーティストではありません。だから、「こんな作品をつくりたい」 というこだわりは持たないようにしています。それよりも、クライアントの皆さんと意見を交わしながら、素晴らしいものづくりがしたい。この意気込みを保ちながら、これからもずっと、デザインの仕事を追求していきます!
 
 
 
 :: 事業所概要 :: 
   ■ 事業所名 島村デザイン
 ■ 所在地 〒171-0052 東京都豊島区南長崎3-31-14-A2
 ■ 事業内容 デザイン事務所
 ■ 設立 平成7年5月
 ■ ホームページ http://shimamura-design.com/