茨城・水戸の地に根を下ろし
"土地の町医者"になる日
名高 どんな点を工夫されたのですか。
齋藤 東京に比べて田舎ですから、いい意味での 「なあなあの世界」 があります。たとえばお客様に登記済証(現在は登記完了証) を渡すにしても、ペラの証書と図面一枚に表紙を付けただけのものが通っていたこともあるようです。私は東京での経験を生かして、図面の他に、境界標の杭を遠景と近景から撮影した写真を付け、誰が立ち会ったかなど、登記にまつわる全ての事項をまとめた分厚いファイルを作って渡すようにしています。それにより、1回の測量・登記に数十万円かかる費用についてもご理解いただけるようになりました。「ここまでやってくれているものなのか」 とびっくりされて、大変喜ばれましたよ。
名高 土地という重いものを扱っている仕事だということがわかってもらえたわけですね。しっかりした書類資料が手元に残れば、孫子の代になっても心配ないな。
齋藤 いわばそのファイルには私の 「責任」 も載っているわけです。土地の言葉で 「いいかげん」 なことを 「ごじゃっぺ」 と言いますが、「ごじゃっぺはしませんよ。何かあったらいつでも出て行きますよ」 という私の意思表示でもあります。
名高 いいことですよ。駆け出しの人は自分なりのスタイルを持つべきという見本になります。
齋藤 若くても若いなりの経験やアイデアを集約すれば活路は開けると考えて、2年前から仲間が集まって 「青年土地家屋調査士会」 という勉強会をスタートさせました。私も皆と切磋琢磨し 「若さのフットワーク」 で、多方面に積極的な営業を展開していこうとアプローチを始めています。
名高 ああ、それもいい取り組みですね。今後の目標についても聞かせてください。
齋藤 この仕事はサービス業だという自覚を持ち、どんどんアピールしていきたいですね。「何かあったら齋藤を呼べばいい」 と言われるような、「土地の町医者」 を目指します。
名高 「思えば現実になる」 というのが私の信条です。具体的なアプローチを起こせば、必ず結果が出ると思います。ご健闘をお祈りします。