営業効果を最大にする
テレマーケティングシステム
営業で最もハードな
テレアポ業務を改善
川村 他の商材を売るために開発したシステムがメインの商材になったという、ちょっと珍しいケースだったんですね。それだけ優れたシステムを開発できた理由は、どこにあったのでしょう。
美里 前職の不動産会社での経験が原点になっていると思います。
その会社は投資用ワンルームマンションを販売していて、不動産会社の例に漏れず、営業は朝から晩まで、ひたすら名簿を見ながら営業電話をかけ続けるわけです。売れなければ大した給料になりませんし、何より上司から毎日大変なプレッシャーをかけられるのです。「お前はいつ仕事をするんだ?」 となじられたり、コーヒーカップを投げつけられたり。結果しか見てもらえず仕事から離れていく社員も多い。私の場合は、入社してすぐの頃は生意気で、「社員に人権はないのか」 などと文句を言っていました。それでいて適性があったのか、5年後に27歳で営業担当役員になったのです。
すると今度は、自分が批判していた上司と同じことを自分もし始めた。プレッシャーをかけて追い詰めるあまり、部下が次々と辞めていく事態になりました。うつ病になった社員もいて、そのときは私もへこみましたね。
川村 下に好かれそうな上司ではないですねえ(笑)。そうなってしまった理由は、何だったんでしょう。
美里 やはり、結果だけを見ていたせいだと思います。「今日はアポ取れたのか」「売れたのか」 と絞り上げると、一瞬は部下も火事場の馬鹿力で結果を出しますが、長くは続きません。
それに、いかに交渉力に優れた営業社員が入ってきても、電話営業というのはアポ取りの段階でつまづくケースが多いのです。逆に言うと、電話営業はどれだけ現場の営業力があっても、まずはアポが取れなければ商談にならず、商品も売れません。自分の会社を持ってからは、最もハードなアポ取りの業務を何とかして改善できないかと考えました。その結果が、「テレオールワン」 の開発につながりました。
あと、個人的には、これを開発したのは不動産会社時代の罪滅ぼしの意味もあります。当時の私は全く人望がなかったと思いますから(笑)。
テレマーケティングには
無限の可能性がある
川村 「テレオールワン」を導入するメリットをおさらいすると、このシステムではまず、数百件に及ぶ紙のリストを見ながら一件一件手作業でダイヤルし、コールする必要がないということですね。全部自動というのは体力的にもありがたいと思います。
また、「電話をした件数」「そのうち何件につながったのか」「見込みがあるのは何件か」「どんな会話をしたのか」 といった内容が、全て自動的に記録されるわけですね。そうすると、マネージャーの皆さんは 「もっとこういう話をすればアポが取れるのではないか」 といったアドバイスがしやすくなる。電話営業のプロセスがトレーサビリティを備えることで、アポが取れたか取れなかったかという結果だけで営業を追い詰める必要がなくなり、スタッフのやる気にも繋がりますし、全体の成果も得られるようになる、と。