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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

 
プロフィール 東京都出身。幼少時に千葉県に移り、同県で育つ。大学の経済学部を卒業し、医療事務代行の最大手である(株)ニチイ学館に就職。クボタグループの子会社への転職を経てソフトウェア開発会社に勤め、2002年に(株)アストロステージを設立した。以来、ITソリューション事業を通じ医療サービスの向上に貢献するという理念を掲げ、倍増ペースで業績を伸ばしている。
 
 
医療サービス向上への貢献を理念とし、医療機器用ソフトの開発ツールと医療情報システムの提供を事業内容とする(株)アストロステージ。設立以来、倍々ペースで成長を続けている。拡大する一方の市場を見たうえで、なお、同社の平本淳一社長は性急に人を増やすのではなく、ビジョンを共有できる人材こそ欲しいと語る。そのビジョンとはどのようなものか?アストロステージならではの強みとは?お話をうかがった。
 
 

市場ニーズが高く
技術も日進月歩の医療機器業界
 

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インタビュアー 矢部美穂(タレント)

矢部 御社は医療機器のソフトハウスと伺っています。具体的にはどんな商材を扱っているのでしょう。
 
平本 医療機器のソフトといっても一般の方にはピンと来ないと思いますので、当社の事業をご説明する前に、医療機器産業の概要をご説明しましょう。
 医療機器というと、皆さんはレントゲン装置や胃カメラなどをイメージされるのが普通だと思います。しかし、実際にはそうした大掛かりな機器から注射器や家庭用血圧計までひっくるめて、全て医療機器です。ですから、この産業は非常に広い分野に及びます。健康に生活されているぶんには馴染みのない製品ですし、病院へ受診に行っても、皆さんが目にするのは医療機器のほんの一部ですから、このようにご説明すると意外な反応をされますけれどもね。
 
矢部 産業の裾野が広いということは、市場規模はどれくらいになりますか。
 
平本 日本の場合、2005年の時点で約2.6兆円です。米国、ドイツに次いで世界第3位と言われています。しかも、過去15年間のレンジでも基本的に右肩上がりですから、現在の我が国では数少ない成長産業の1つと言えるでしょう。
 
矢部 高齢化社会になったことを考えても、非常に将来性のある分野なんですね。
 
平本 おっしゃるとおり、高齢化社会の進展で、病気予防や健康保持のためにも医療機器へのニーズは高まる一方です。技術も日進月歩で進化を続けていますよ。
 
矢部 好奇心や向上心の強い人には打ってつけの業界かもしれませんね。
 
平本 そう思いますね。私自身、日々新しい発見の毎日ですよ(笑)。
 
 

医療機器開発がもたらす恩恵を
現場レベルで補完する
 

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矢部 そんな中で、御社の事業にはどんな特徴があるのですか。
 
平本 簡単に申し上げますと、医療機器は心臓ペースメーカーなどの「治療系機器」、レントゲン装置や胃カメラなどの「診断系機器」、注射器などの「その他」に大別されます。当社はこのうちの診断系機器のソフトウェア関係の事業を展開しています。
 
矢部 いろんな機器を動かすためのソフトを開発したり、販売したりするのでしょうか。