こんにちは、上原浩治です。
いよいよシーズンが始まりました! 毎年、この時期になるとチームはテンションが上がって、「いくぞ!」 という雰囲気に満ちていますね。僕も4月3日の誕生日で37歳になりましたから、気分新たにがんばらないと!
誕生日と言えば、実は、巨人の高橋由伸と同じ誕生日なんですよ。毎年 「おめでとう」 と言い合うんですけど、よく考えたら由伸のほうから電話がかかってきたことがないな(笑)。
おーい、由伸、誕生日プレゼントがまだ届いてないぞ! 由伸のことだから、何かの手違いだと思うけど、楽しみにしてるぞ(笑)。
今年も網部分にピッチングフォームを張ったグローブでシーズンに臨む
さて、シーズンが開幕して、こちらでも注目の日本人対決が始まっています。僕も4月12日のアーリントンでのマリナーズ一戦で、さっそくイチローさんと対戦しました。これまでの通算対戦成績はイチローさんの4打数2安打。僕がレンジャーズに移籍してから初になる12日の対決は・・・ ライトフライに打ち取りました。やった!
イチローさんは毎年本当に淡々とやるべき役割をこなしていて、すごいもんです。あの細い体でずっとケガすることなくやってますからね。一流っていうのはああいう人のことを言うんでしょう。ご挨拶にうかがったら 「そっちもコツコツ頑張れよ」 と励ましてくれました。
同じマリナーズの川崎君とは、まだ直接対決は実現していませんが、彼も憧れのイチローさんと一緒に野球できているせいか、すごく楽しそうにやっていますね。日本ではあまり対戦したことがないバッターなので、いずれ当たるのが楽しみですよ。もっとも僕らは、抑えるべきところで抑えられないとクビという世界ですから、楽しみであるぶん、イチローさんにも川崎君にも打たれるわけにはいかないんですけどね。
そんな今シーズンも、やはり遠征の連続です。年間160試合は遠征で出ているので、ホテルでどう過ごすかが、けっこう重要なんですよ。僕がいつも持っていくのはお笑いのDVDと本ですね。本は、東野圭吾さんの本。こう書くと 「おすすめは?」 と必ず聞かれるんでしょうけど・・・ 残念ながら題名覚えてないんですよ(笑)。 おもしろいのは間違いないんですけど、本の題名を覚えるのが苦手なんです(笑)。
いずれにせよ、そうやってリラックスポイントをしっかり見つけていくことが、長いシーズンをこなすためには必要です。日本で会社勤めをされている方によく質問されるんですが、仕事できっちりと成果を上げるためには、自分なりにアクセントをつけられる工夫を見つけることですね。たとえばいったん仕事から離れて、あらためてフラットな精神状態で向き合えるようにメンタルを管理したり。僕もそうやって、これからのシーズンをうまく戦い抜こうと思っています。応援、よろしくお願いしますね!
執筆者プロフィール
上原浩治 Koji Uehara
ボルチモア・オリオールズ投手
経 歴
大阪府出身(出生は鹿児島県)。東海大学付属仰星高校から大阪体育大学に進学し、大学3年時に日本代表に選出。1997年に出場したインターコンチネンタルカップ決勝では、当時国際大会151連勝中だったキューバから先発勝利をあげ、注目された。ドラフトで読売ジャイアンツに1位指名(逆指名)を受け、1999年に入団。ルーキーイヤーに20勝投手となり、最多勝利、最優秀防御率、最多奪三振、最高勝率の4冠を獲得し、新人王と沢村賞も受賞。翌2000年は肉離れのため登録抹消となるなど、ケガに苦しむシーズンを送るも、2002年に再び17勝をあげ、優秀選手賞を受賞。2004年にはアテネオリンピック野球日本代表に選出され、銅メダル獲得に貢献。2006年のワールド・ベースボール・クラシックでも日本代表のエースとしてチームを優勝に導いた。2009年にボルチモア・オリオールズに入団。ベテラン投手の一人としてチームを牽引している。