演技しているとしか思えないヒガシの会見
彼を反面教師と捉えたとき見えてくるものは
見て感じたのは「なんだこれ!?」という感想だ。元少年隊のヒガシ、東山紀之新社長の受け答えがあまりに芝居がかっていて、どう見ても演技にしか思えなかったからだ。
集まった記者の側は、「これは犯罪ですよ。実質三桁じゃ収まらない数の無垢な少年たち、法的に責任年齢に達しない庇護すべき対象の少年たちを、会社組織を使って何十年も強姦し続けていたんですよ。会社が犯罪組織になっていた事実にどう対処するんですか」というところを見てるのに、東山さんはそこを見ないまま会見に臨んでいた。言葉では「人類史上もっとも愚かな事件」「鬼畜の所業」と言っていたけど、腹の底では何とも思ってないというか、単に迷惑に感じてただけじゃないかな。被害者たちの告発に対してね。
彼の自己理解はたぶん、「頼まれて意気に感じた俺。矢面に立って難局を乗り越える俺」というものだ。そして、「そういう姿勢を自分レベルのボスキャラが見せれば禊(みそぎ)は終わる。世間は水に流してくれる」と思っていたんだろうな、とも感じ取れた。
まぁ、彼はタレントだからね。経営者ではないから。もうそういう問題じゃなくなってるんだという潮目を読む能力は彼にはないから。わからないのは仕方ないよ。
問題は、わからないなら出てきちゃ駄目なのに出てきちゃう、その鈍さだ。――で、もともと鈍い人間がそうするぶんには「馬鹿だね~」でこっちも終わるんだけど、そうじゃなく、勝ち組の側に長年いることでそうなっちゃってるんだな、というのが映像から見て取れたから、「これは反面教師だな~。教訓になるな~」と思ったわけです。
広島県安芸高田市議会と石丸市長
真っ当なのはどっち?
石丸市長は任期の一期目。地元安芸高田市の出身で、京都大学を卒業して三菱UFJ銀行に勤めていた。2020年に前市長の児玉浩氏が、その前年の河合克行・案里夫妻の現金バラマキ選挙事件でお金を受け取った責任をとって辞任した。それで市長選挙があったときに立候補し、前市長推薦の副市長との一騎打ちに勝って市長になった人物だ。
事の発端は石丸氏が市長になって間もない2020年の9月にさかのぼる。このときの市議会本会議で議員の一人がいびきをかいて寝ていたのを市長が見かねて、自分のTwitterに「市民の代表として緊張感を持ってほしかった」という理由で指摘の投稿をした。後日、当の議員からはメールで謝罪が来たが、9月末の閉会を待って翌10月1日、市議会全員協議会から石丸市長が呼び出され、「議会の批判をするな、選挙前に騒ぐな、事情を補足してやれ、敵に回すなら政策に反対するぞ、と説得?恫喝?」(原文ママ)があったという。
以来、市議会と市長の確執? が2023年の今に至るまで続いていて、市長の方針で市議会の様子はネット配信されているから、全国の注目を集めているわけだ。
それで、まぁ、いろんなやり取りがネットに上がっているわけだけど、いくつか見ると、真っ当なことを言っているのは全体的に市長なんだよね。「安芸高田市を良くするために」という視点で動いてるんだ。それに対し議会のほうは、見てるとどうも、政策の是非とか効果とかは結局どうでもよくて、「俺らは長いことここで市議をやってんだ。俺らが正しいんだ!」っていう感情論で物を言ってるのよ。噛み合ってないの。
市長は一所懸命に、「市議会の意義は何ですか? 議員の仕事は何ですか? 市政を良くしていくための議論をしましょうよ」と訴えてるんだけど、議会のほうはもうそういう、物事のスジとか道理はわからなくなっちゃってて、既得権益とかしがらみとかの思考回路でしか考えてないの。議員になった当初は「物事の本筋に照らして考える」という思考回路もあったかもしれないけど、なくなっちゃってる。
自己否定を忘れた勝ち組ほど怖いものはない
経営者は二つの件を反面教師に
また安芸高田市がややこしいのは、地元メディアの新聞も絡んでるんだよね。新聞記事は完全に議会側で、曲解もまじえて偏向報道をいっぱいやるわけよ。市長は「そういうの勘弁してくださいよ。市民の皆さんが読んでるんだから正しい報道をしてくださいよ」と訴えているんだけど、新聞も既存体制の側でズブズブだから、駄目なんだよ。通じないの。
だって、「市議の一人がこういうことを言った」みたいな書き方なんだよ!? 市長が「議員は公人なんだから名前を出しなさいよ」って指摘してたけど、ホントその通りだよね。
まぁとにかく、情けないというかおもしろいというか。ジャニーズの件も安芸高田市議会の件も、これと同じことが日本中で行われてるんだろうな~と、と思って、いわゆる日本経済の“失われた30年”の根本原因が露出された感じだ。読者の皆さんも、経営者層は特に、反面教師にするつもりでこの二つはウォッチを続けておくといいと思いますよ。
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vol.83 ジャニーズ事務所の会見と安芸高田市議会に見る「勝ち組に居続けることの怖さ」
(2023.9.27))
著者プロフィール
佐藤 勝人 Katsuhito Sato
サトーカメラ代表取締役副社長/日本販売促進研究所.商業経営コンサルタント/想道美留(上海)有限公司チーフコンサルタント/作新学院大学客員教授/宇都宮メディア.アーツ専門学校特別講師/商業経営者育成「勝人塾」塾長
経 歴
栃木県宇都宮市生まれ。1988年、23歳で家業のカメラ店を地域密着型のカメラ写真専門店に業態転換し社員ゼロから兄弟でスタート。「想い出をキレイに一生残すために」という企業理念のもと、栃木県エリアに絞り込み専門分野に集中特化することで独自の経営スタイルを確立しながら自身4度目となるビジネスモデルの変革に挑戦中。栃木県民のカメラ・レンズ年間消費量を全国平均の3倍以上に押し上げ圧倒的1位を獲得(総務省調べ)。2015年キヤノン中国と業務提携しサトーカメラ宇都宮本店をモデルにしたアジア№1の上海ショールームを開設。中国のカメラ業界のコンサルティングにも携わっている。また商業経営コンサルタントとしても全国15ヶ所で経営者育成塾「勝人塾」を主宰。実務家歴39年目にして商業経営コンサルタント歴22年目と二足の草鞋を履き続ける実践的育成法で唯一無二の指導者となる。年商1000万〜1兆円企業と支援先は広がり、規模・業態・業種・業界を問わず、あらゆる企業から評価を得ている。最新刊に「地域密着店がリアル×ネットで全国繁盛店になる方法」(同文館出版)がある。Youtube公式チャンネル「サトーカメラch」「佐藤勝人」でも情報発信中。
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