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ユニークかつ充実した社内制度をご紹介する本コラム。第3回目は、アメーバブログなどのメディア事業やインターネット広告事業を主力とする株式会社サイバーエージェントさんにお話をうかがいました。2016年7月には、新サービスとしてスタートしているインターネットテレビ局、AbemaTVの累計DL数が500万を突破するなど、今最も勢いのある同社。社内活性化のための環境づくりにも積極的で、特に女性の活躍を推進する制度が充実しています。独自の制度を通して、サイバーエージェントさんの大躍進の理由を探りました。
 
 

女性社員の悩みに応えたmacalonパッケージ


 
2014年には「macalonパッケージ」と銘打ち、女性社員をサポートするための制度を導入したサイバーエージェントさん。まずは制度の内容と導入のきっかけについて、全社広報室 シニアマネージャーの上村嗣美さんにお聞きしました。
 
「macalonパッケージ導入時は、育児をしながら働く女性の数が、当社で100人に達しようとする時期でした。『出産、育児を経ても安心して長期的に働いてほしい』というメッセージを伝えるためにも、女性の活躍を後押しできる制度をつくろう、という声が経営陣からあがったのです。加えて世間では、女性芸能人が不妊治療のために休業する、といったニュースが続いていました。ということは、社内にも人知れず悩んでいる社員がいるかもしれない。そこでまずは、不妊治療中の女性社員が休暇を取得できる『妊活休暇』をつくるところからスタートしました。さらにその後は、妊活を考えている社員が保健師に相談できる、『妊活コンシェル』も導入。他にも女性が取得する休暇は全て『エフ休』と呼ぶことで、女性特有の体調不良や妊活で休暇を取得する際、申請しづらい問題を解消しました。ちなみにこの『エフ』は英語で女性を表す『Female』の頭文字を取ったものなんですよ」。
 
それなら周囲を気にすることなく申請できますね! 他にはどんな制度があるのでしょう?
 
「子どもが急に熱を出した時などに在宅で仕事ができる『キッズ在宅』に、園内・学校行事の際や子どもの誕生日に休める『キッズデイ休暇』もあります。この休暇を取得している社員は、実は男性のほうが多く、利用者の7割を占めているんですよ。そして2016年には、新たに『認可外保育園補助』、『おちか区ランチ』、『ママ報』の3つの取り組みを追加。認可外保育園補助は、認可・認証保育園に子どもを入れることができなかった社員に対し、高額な費用のうち、認可保育園の保育料との差額を負担する制度です。当社では今年初めて認可保育に入れなかったために復帰を見合わせたり、退職したりするケースが出てきたため、復帰を後押しできる制度を追加することにしたんです。そしておちか区ランチは、同じ市区町村に住むママ社員同士が定期的に集まり情報交換できるよう、1人あたり3000円のランチ代を補助するというもの。産休・育休中の社員も参加でき、『先輩ママ社員から保活情報を聞けて安心した』、という声がさっそく上がっています。それからママ報はママ社員向けの社内報のことで、会社の最新情報やママ社員の体験談を掲載しているんです」。
 
 

しらけを生まない制度づくりで成果を発揮

 
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第1回のおちか区ランチの様子。子ども同士の交流の場にも
待機児童という社会問題や、ママ社員の不安・悩みを企業レベルで解消しようとする姿勢が素晴らしいです! 制度を導入する際には、どんなことに気を付けているのでしょうか。
 
「しらける社員が生まれないようにする、ということを心がけています。使いづらかったり、特定の社員だけが優遇されたりするような制度では、社員はしらけてしまい、運用は上手くいきません。なので『導入したらどんな社員がどういう声をあげるのか』を具体的にイメージするようにしているんです。macalonパッケージは妻子がいる男性社員も活用できますし、独身の男性社員も『いずれ自分も使うかもしれない』と思える制度のため、否定的な声は上がっていません」。
 
“しらけを生まない制度づくり”がポイントなんですね! macalonパッケージ導入後は、どんな成果が生まれているのかも教えてください!
 
「導入前の2014年はママ社員が100人に達しない規模だったのが、導入後の2016年には150人に増えました。さらには制度を利用して妊娠に至ったという報告も数件耳にしています。形だけでなく、実際に社員の人生を豊かにする制度だと、私も実感していますね」。
 
 

環境づくりで女性管理職の誕生を推進

 
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CA18の執行役員たち。右前列にいるのが横山祐果さんだ
サイバーエージェントさんではmacalonパッケージの他にも、女性社員をサポートするための取り組みをされているそうですね。どんな活動なのでしょうか?
 
「女性管理職を増やすための『女性管理職推進プロジェクト』を実行しています。現在、当社の女性管理職の割合は、2割。その数をさらに増やし、女性の活躍を後押ししようというプロジェクトです。ただ、ここで課題となるのは、そもそも女性は『管理職になりたい!』という思考の人が少ないということ。そこでこのプロジェクトでは、女性社員に様々な女性管理職のモデルを見せたり、人事主導で対話を重ねたりすることで、管理職の道を選びやすいよう取り組んでいます。リーダーを務めるのは、当社初の女性執行役員である横山祐果。当社は独自の執行役員制度を取っていて、取締役8名に、次世代の経営者を育成する目的で選抜した執行役員10名を加えた、『CA18』があります。横山はその中で唯一の女性として活躍しているんです。プロジェクトでは、横山に続く女性リーダーの輩出を目指しています」。
 
女性社員のためのサポートが万全のサイバーエージェントさん。誰もが活躍できる環境を整えていることから、世界最大級の意識調査機関Great Place to Work®の「働きがいのある会社ランキング」に選出されることも多いとか。最後にその秘訣を聞くと、「安心して働ける環境と挑戦できるステージ、その両方をバランスよく用意することが大事だと思います」とのことでした。同社の取り組みをヒントに、社員が安心してチャレンジできる環境づくりをしてみてはいかがでしょうか。
 
 
▼取材協力       
株式会社サイバーエージェント
https://www.cyberagent.co.jp
 
 
(2016.8.5)

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