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スペシャルインタビューSPECIAL INTERVIEW

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顧客のニーズに応え続ける
プロの音楽家はサービス業!

 
 
2015年でデビュー20周年を迎えた高嶋ちさ子さん。7月にニューアルバムの『Strings On Fire』をリリースし、9月からはピアノクインテット『Strings On Fire』、女性だけで構成されたアンサンブル、“12人のヴァイオリニスト”との「Strings On Fire」という2つのコンサートを開催予定だ。主婦業と両立させながらタイトなスケジュールをこなす高嶋さんは、音楽家としての仕事について、どのように考えているのだろうか――。アルバムの内容とともに、お話をうかがった。
 
 

愚痴は口に出すタイプ

 
 主婦と音楽の仕事をどちらも全うし続けるのって、正直言うとすごく大変。それができているのは、家事や子育てを手伝ってくれて、音楽の仕事に理解を示してくれる夫の協力があるからです。そこに感謝しつつ、どちらも楽しむようにしていますね。2日間くらい仕事で家を空けていると、息子たちに「申し訳ない」って思いますけど、私は性格的に、どちらかいっぽうだけに専念するのは無理なんです。逆に、今みたいに両方をバランスよくこなせていると、すごく息抜きになってどちらも楽しめる。主婦業のストレスを音楽の仕事で解消し、その逆も・・・という感じ。とは言え、キツイものはやっぱりキツイですけどね(笑)。
 
 私は「辛い。疲れた」と愚痴をけっこう口に出すタイプです。心に溜め込んでおくのもあまりよくないと思いますし。今年でデビュー20周年を迎えましたけど、その間、「辞めたい」と思ったことも2~3回はありました。でも、例えば今から辞めるとしても、来年の5月くらいまでは、すでに仕事のスケジュールが入っている(笑)。だから、そこまでは絶対にやりぬきますよね? すると、その間に気が変わって続けたくなっている。そういう感じで20年間もやってこられたということは、やっぱり音楽の仕事が大好きなんでしょうね。
 
 最近は、だいぶ肩の力を抜いて演奏できるようになったと思います。以前はもっとストイックでしたからね。私は自分の仕事ってものすごく大変だと思っていて、例えばコンサートであれば、プロとして一音もはずすわけにはいかないし、「はずしちゃったら死ぬしかない」というくらいの覚悟でやっていたんです。でも、そういう気持ちで演奏をしている時の私って、眉間にシワがよっちゃっているくらい険しい顔をしていたはず。
 
 ある時、コンサート前に楽屋でピリピリしながら待機していたら父親が訪ねてきて、「お前の仕事は楽でいいなぁ。失敗したって誰も死なないだろ? 例えば、医者は仕事で失敗すると、本当に死人が出ることもあるんだぞ」と言われました。「こっちだって死ぬ気でやっているんだから」とは思いましたけど、父親にそんな言葉をもらってからは、「思いつめて演奏するよりは、自分自身が楽しみながら演奏したほうがいいんじゃないか。そのほうがお客様も楽しんでくれるはず」と思えるようになりました。
 
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