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スペシャルインタビューSPECIAL INTERVIEW


 
プロフィール 1971年、東京都出身。兄の影響で3歳からポケットバイクで走り始め、小学校入学前にはすでにその才能の片りんを表わしていた。12歳でカートデビュー、高校時代にはカートの全国大会で優勝し、本格的なプロレーサーを志すようになる。1990年に全日本F3選手権でプロとしての初陣を飾り、1998年には全日本選手権フォーミュラ・ニッポンでシリーズチャンピオンに輝いた。その後、フォーミュラ・ニッポンでは1998年、2001年、2003年、2005年にシリーズ制覇を果たし、JGTC&SUPER GT・GT500クラスでは2003年、2004年の連続優勝を皮切りに、2008年にも王座に君臨。フォーミュラ・ニッポン通算勝利数27勝 (歴代1位)、通算PP獲得数21回 (歴代1位)、JGTC&SUPER GT・GT500クラスドライバーズチャンピオン3回 (歴代1位)、通算勝利数15勝 (歴代1位)。
 
 
 
サーキット上での熾烈なレース。コンマ数秒の判断の遅れ、わずか数ミリのマシンセッティングの違い、たったひとつの作戦ミス―― それらが明らかに明暗を分ける。レースとは、まさに究極の勝負の世界である。ただ、レースはドライバーひとりで戦うわけではない。どんなに腕のいいドライバーでも、監督やエンジニアなど、スタッフとの協力関係なくしては出走することもままならない。そこで思うこと。「勝利を手繰り寄せるために、ドライバーはどのようにチームを鼓舞し、仲間の持ち味を引き出して結果につなげていくのか」。フォーミュラ ニッポンやSUPER GTなど主要レースで結果を残してきたレーシングドライバー・本山哲氏がレース人生で培ってきた、勝つための活術――“勝人術” を聞いてみた。
 
 
 

勝てるドライバーの条件

 
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 まずドライバーだけに限って言うと、勝てるドライバーには絶対的な要素があるんです。最も大事なのは、勝負に対して「絶対に勝つ」という強い意志があること。「勝ちたい」 ではいけません。「勝つ」 という意志です。これはモータースポーツに限らず、アスリートには必要不可欠のものです。しかも、皆が皆そのように思っているわけですから、その中でもより強くなり、より勝つための努力をするということが、結果に結びつく大前提になると思うんですよ。
 もちろん気負いすぎるのは歓迎できませんが、ベースとして気持ちを強く持つと、自分がしなければならないことが見えやすくなります。たとえばぼくのようなドライバーだと、クルマのセッティングをしてくれるメカニック・エンジニアがいて、戦略を考える監督がいます。でも、レースはドライバーありきですから、彼らがどうこうという前に、自分自身が責任を持ってチームを引っ張っていくことも、自分の役割だと考えているんです。
 「勝つ」 という気持ちをチーム全員が持てるように、感じられるようになっていかなくてはいけない。各自が自分の担当する役割を、プロフェッショナルとして完璧にこなすことが求められます。そして、そのポテンシャルやクオリティを継続できなれば、勝ち続けられない。それは非常に難しいんですよね。全員が高いレベルで同じ気持ちを持つというのは、プロスポーツ全般でも、ビジネスでも難しいことでしょう。
 だからこそ、ぼくは背中で語るようにしています。「絶対に勝つ」 という雰囲気をまとって、自分がどれだけ勝利にこだわっているかを走りで見せつけていく。「はい、みんなで気持ちを合わせて、がんばりましょうね」 と言葉で言っても、全体の士気が上がることはありません。力で魅せ、感じさせる。それをより高い次元で表現できるドライバーこそ、勝てるドライバーだと思いますね。
 
 
 
 

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