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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

訪問歯科診療を中心に
高齢者の幸せを追求!

 

歯科医師と歯科衛生士が自宅や施設で診療

 
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狩野 苦手意識のある分野に挑戦する心意気がすごいです。その後の歩みもぜひお聞かせください。
 
北辻 お酒は好きでしたし、学べることも多く良い経験になったものの、この業界では23時ぐらいまでお客様とお酒を飲みながら営業することが多々あり、体にこたえまして。30歳になったのを機に退職し、投資の勉強に励むことにしたんです。しかし、これもなかなか身につかなくて。自分の中で、野球ほど打ち込めるものが見つからず、心に隙間が生まれてしまっていました。そんなとき、たまたま訪問歯科診療の送迎兼アシスタントという求人広告が目に入りまして。仕事の内容はさっぱり見当がつかなかったものの、未知の世界に面白味を感じて応募したところ、採用していただき仕事を始めました。
 
狩野 訪問歯科診療のサポートとは、具体的にどのようなお仕事なのでしょう。
 
北辻 体力の衰えや病気・障害で歯医者さんに自力で通うのが難しい方を対象に、歯科医師と歯科衛生士がご自宅や施設にうかがって診療するサービスです。私が就職した会社は、運送会社と歯科医師さんのコラボレーションで運営していました。送迎の運転手兼アシスタントとして現場に出た私は、世の中にこんな仕事があったのかと驚きを感じ、ご年配の方々とのコミュニケーションに大きなやりがいを感じたんです。
 
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狩野 ようやく野球と同じように情熱を持って打ち込める仕事と出会ったわけだ。そうして独立開業への道が開けたのですね。
 
北辻 おっしゃる通りです。5年ほど経験を積んで、2015年、35歳で独立を果たしました。実は、野球を引退してから「いつかは経営者に」という思いも抱えていたので、新たな夢を叶えることができたんですよ。
 
狩野 高齢者の方と接することが増えれば、さまざまな相談を受けることも増えそうですね。
 
北辻 はい、「電球を交換できない」「テレビの配線がわからない」など、介護保険の関係でヘルパーさんに頼めない困りごとを受ける機会が増え、その都度できることを対応しています。歯科診療のついでにそうした悩みを解消しているうちに、ご高齢者の多くのニーズを感じ、今の事業展開へつながっていったんです。