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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

日常生活で必要な能力を 楽しみながら訓練する
一般社団法人スタート.N/スタートライン 代表理事 黒岩貴士

 
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インタビュアー 石黒彩 (元モーニング娘。)
石黒 大阪府守口市で自立訓練・生活訓練事業所スタートラインを運営する、一般社団法人スタート.Nさんにお邪魔しています。お聞きしたところでは、黒岩代表はもともと公務員としてお仕事なさっていたそうですね。
 
黒岩 そうなんです。かつて存在した厚生労働省の外局である社会保険庁で勤務していまして。その後、2009年に同庁が廃止されてからは、健康保険に関する業務を引き継いでいた全国健康保険協会に移籍し、30歳になるまで勤めました。
 
石黒 そこからどのようにして、現在の福祉業界でお仕事なさるようになったのか教えてください。
 
黒岩 福祉サービスを必要とされている利用者様に対して、より手厚いサポートをしたいと考えたんです。というのも、国家公務員として保険に関する業務をしていて利用者様からさまざまな相談を受けた際に、その保険サービスで対応できる範囲内のことしかお応えできなかったんですよ。それ以上は、お近くの福祉事業所にご相談くださいとご案内するのが限界でもどかしさを感じていまして。そんなときに縁あって当法人に転職することとなり、代表を務めさせていただいています。
 
石黒 こちらの事業所で行っている自立訓練とはどのようなものなのでしょうか?
 
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黒岩 障害のある方が自立した生活を送れるように、日常生活において必要な能力の維持や向上のための訓練です。当事業所では、さまざまな症状をお持ちの方それぞれに合わせた幅広い支援プログラムを用意しておりまして。例えば、長期間引きこもって昼夜逆転した生活を続けていたことで、生活のリズムが崩れてしまっているという方に対しては、まず身だしなみを整えたり、食事や運動といった生活のリズムを整えたりなど、基本的な生活習慣の改善から支援していくんです。
 
石黒 なるほど。まずは健康的な日常生活を取り戻すところから始めるわけですね。
 
黒岩 そうなんです。ほかにも、電車やバスなどの公共交通機関の利用や各種市区町村での手続きといった社会生活に必要な行動を訓練するプログラムや、ご自身が持つ病気の理解や服薬の管理、金銭の管理といった自己管理に関するプログラムなども設定しております。