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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

自立心を育む学習指導で 
生徒の能力を引き出す

 

問題を解くことは出題者との対話である

 
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宍戸 “エンジン”とは勉強への意識付けのことですよね。それを自分で維持・向上させるために、どのような指導をされているんですか?
 
小林 過度な指導はできるだけ避けて、子どもたちが自ら勉強する環境をつくれるように導きます。例えば、どうにも学習が手につかない生徒に対しては、「じゃあ単語の暗記とか、計算問題とか、エンジンがかかってなくてもできることから始めよう」と声をかける。そうやって、とりあえずでも机に向かっていると、自然にエンジンがかかっていくんです。
 
宍戸 エンジンを吹かしてあげるわけだ。
 
小林 その通りです。勉強に集中できないのは、弾みのつけ方を知らないでいるだけですからね。その障壁さえクリアすれば、結果としてテストの点数も上がって自信がつきます。そうすれば、勉強への苦手意識も払拭され、学ぶことが習慣化していきます。ですから当塾の生徒には、「自分は勉強を頑張っている」という意識を持っていない子が多いんですよ。“するのが当たり前”になっていますから。
 
宍戸 「苦手だ、しんどい」と思うのは、勉強を始めたばかりの頃ですもんね。今のお話を聞くと、こちらの指導は志望校合格だけを目標にしているのではないと感じました。
 
小林 ええ。ノートのとり方など合理的な勉強法の指導に加え、生活習慣の改善にも取り組みます。「埼玉の県立高校の内申点は、中学1年からの通知表が対象になる」という事情もありますが、やはり学力アップには人間性の向上も大きく関わりますからね。
 
宍戸 人間性ですか。具体的に、どのように学力向上に関わるのでしょう?
 
小林 テストや試験の問題に対する姿勢が変わるんです。問題文をよく読まずに解いたり、難しいとすぐに諦めてしまったりする子は、その問題文を文字の羅列のように思っている傾向があります。でも、どんな問題も作成するのは人間です。つまり、問題を解くということは出題者との対話であり、出題者の意図を汲み取ることなんですよ。
 
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宍戸 なるほど! 対話力という意味での高い人間性が求められるんですね。私も大学受験生だったとき、ある時点から、出題者と勝負する気持ちでテストに取り組むようになり、成績が上がった覚えがあります。
 
小林 その境地に独力で到達したのはさすがですね(笑)。でも、小中学生くらいの年齢だと、独力では難しい。そこで当塾は、出題者との対話に必要な基礎の習得に、指導の主眼を置いているんです。