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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

人命救う消防設備を整備 
有事に備えて平時を守る

 

格闘家に顧客第一主義を学ぶ

 
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水野 私が取材させていただいたのはその頃ですね(笑)。
 
松田 はい。K1に出場するようになると、主催者とファイトマネーの交渉も行うようになり、多忙を極めました。そうはいえども本業である消防設備の仕事も怠るわけにはいきませんから、夜も寝ずに働きましたね。
 
水野 武田さんクラスの選手だと、スポンサーもついていたはずですよね。そうした企業と、本業のほうで取り引きが生まれることもあったのでは?
 
松田 武田の現役中に、スポンサーに営業活動を行ったことは一度もありません。私は武田の親友であり、彼を心から尊敬しているからこそマネージャーを務めていたんです。武田は紹介すると言ってくれていましたが、取り引きにつなげようというよこしまな気持ちは持ってはいけないと思っていました。
 
水野 清廉潔白ですね。メリットもないのに働き続けるなんて、私にはできそうもありません。松田社長も武田さんに負けず劣らずの精神力をお持ちですね。
 
松田 メリットはありましたよ。彼と一緒にいることで、多くのことが学べたんです。例えば武田は後年、片目の視力が低下し、死角がある状態でリングに上がっていたんです。
 
水野 引退後に知りました。ほぼ見えていなかったとか・・・。
 
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松田 はい。マスコミには伏せていたものの、選手の何人かは気付いていて、そこを狙われKO負けしたこともありました。でも試合後、控え室でダウンしていた武田が、私に言うんです。「まっちゃん、今日の試合、お客さんは喜んでくれたかな」と。もちろんKO負けしているんですから喜んでいるわけがないのですが、「劣勢でも立ち向かっていく意気込みは伝わった」と彼を讃えました。
 
水野 武田さんの物事に取り組む姿勢を学べたことが最大のメリットだと。
 
松田 武田は昔からそうなんです。自分のことは後回しにして、人が喜ぶこと、相手の楽しむことをする。そんなストイックさを、自分の仕事にも活かさなければならないと感じていました。私たちの扱っている消火器やスプリンクラー、火災報知器は、普段、何の役にも立たない無用の長物です。買いそろえるのにお金がかかりますし、また、維持していくのにもお金がかかる。企業にとっては削減したい経費の1つです。
 
 
 
 

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