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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

 
プロフィール 埼玉県出身。金属加工業を営む父親の背中を見て育ち、中学2年生の時に後を継ぐことを決意。学校卒業後は社会勉強のために日本ケンタッキー・フライドチキン(株)に入社、4年間にわたり人との接し方やマネジメントを習得する。その後、金属塗装の会社で3年、印刷会社で1年経験を積み、(有)コーエイに入社。現会長から代替わりした今も職人として研磨に携わりつつ、マネジメントを担っている。【ホームページ
 
 
 
「技術を磨く」「磨けば光る」と言うように、磨くという言葉には「向上させる・努力する」という意味がある。金属研磨の専門会社・有限会社コーエイの今野貴生代表取締役社長は、父親の興した会社を継ぐため、そして匠の技術を受け継ぐために様々な経験を通して自分を磨いてきた。かつて隆盛を極めた日本のものづくりが勢いをなくす中、今野社長は「日本でしか、当社でしかできない研磨を行うため、心技体に磨きをかけたい」と話す。
 
 
 
まるで鏡のような仕上がり!
 
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インタビュアー 城彰二(サッカー元日本代表)
 コーエイさんは金属研磨を専門にされているそうですね。今野社長は2代目でいらっしゃるとうかがいました。
 
今野 はい、当社は現会長である父が立ち上げた会社で、創業は私が生まれる前の1971年にさかのぼります。父は今も現役の職人として、腕を振るっていますよ。
 
 会長も現役の職人さんとは素晴らしいですね。金属研磨と聞いても今一つピンとこないのですが、具体的にはどのようなお仕事なのでしょう。
 
今野 そう言われると思って、サンプルを用意しました。このステンレス製スプーンは自宅で使っていたものですが、内側はそのままに、外側だけを研磨しています。いかがですか?
 
 うわっ、ぴっかぴかだ! まるで鏡みたいに顔が映ります!
 
今野 鏡面研磨、ハイポリッシュ研磨とも言われています。内側が曇っているのは細かい傷がたくさんついているからなんですよ。
 
 じゃあ、その細かい傷を研磨で取り除くわけですね。貴金属の指輪を磨くようなクロスを用いるのですか?
 
今野 いえ、クロスでツヤを出すことはできますが、傷を取り除くことはできません。バフ研磨レースと言われる機械と研磨剤を用いて磨いていくんです。