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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

追随を許さぬ匠の研磨で
金属に息吹をもたらす

 

為せば成る、為さねば成らぬ

 
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 クリスマスといえば、チキンのかき入れ時ですよね。ケンタッキーともなれば、かなり忙しいんでしょう?
 
今野 そうなんです。私は最後ということで例年以上に気合いを入れ、パートナーさんたちに「今年が最後のクリスマスだから、みんな頼む! 売り上げアップに協力してくれ!」と申し出ました。すると快く賛同してくれ、一丸となって店を盛り上げてくれたんです。結果的に、12月23~25日までの売り上げが、エリアで1位に!
 
 おおっ、1位! やりましたね!
 
今野 そのエリアにはおよそ40店舗あるのですが、普段は下から数えたほうが早いくらいの店舗が1位になったんです! そして何よりも嬉しかったのが、ロスが全くなかったこと。ロスとは、売れると見込んでつくった商品が売れず、期限切れで廃棄処分になってしまうことです。クリスマスともなれば通常、何百ピースものロスが出るものですが、私の店では、ロスが0だったんですよ。
 
 何百という廃棄の数と比べたら、雲泥の差。まさに有終の美だ。
 
今野 この時以来、努力してできないことは何もないんだと確信しました。今も「為せば成る、為さねば成らぬ、何事も」という言葉を座右の銘にしています。
 
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 確かに、諦めなければたいていのことは何とかなる。私もサッカースクールの子どもにはそう教えていますよ。ケンタッキーを退職された後は、すぐこの会社へ入られたのですか。
 
今野 そう考えていたのですが、当時、時代が大きく変化していましてね。バブルが崩壊し、それまでの大量生産が無用となり、技術も進化して、それまで必要とされていた物が消えていったのです。例えば売れ行きの良かったミニコンポは、今や携帯プレイヤーに駆逐されました。
 
 なるほど・・・。当時、物が売れなくなったことでデフレが起こり、生産拠点が海外に移りました。その結果、日本のものづくりが斜陽になったんでしたね。
 
今野 おっしゃる通りです。そこで当社でも新しい分野に進出すべく、私は家業に入る前に金属塗装を手がける会社や、シルクスクリーン印刷を手がける会社で学ばせてもらったのです。量より質、クオリティを高めていかなければこの先、生き残っていけないと父も考えていたようです。