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コラム ほめ達!の「未来を拓く言葉たち」第7回 相対性優位理論とは何か ほめ達!の「未来を拓く言葉たち」 一般社団法人日本ほめる達人協会 理事長 西村貴好

コラム
皆さんこんにちは。日本ほめる達人協会理事長の西村貴好です。先月出版された『結果を引き出す 大人のほめ言葉』(同文舘出版)が、おかげさまで好評を博しており、増刷が決定しました。皆さんもぜひ、手にとってみてください。
 
それでは今回も皆さんと一緒に、未来を切り拓いていく言葉を獲得するためのトレーニングをしていきます。今回は、私が日頃意識している考え方「相対性優位理論」についてお話しします。私も実業家の西野伸一郎さんに教えていただいた理論なのですが、非常に役に立っています。
 
 

得意分野があれば優位に立てる

 
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前回は、学習効果を高めるにはその成果をアウトプットするのが効果的と言いました。その他にも学習効果を高める方法があります。それが、相対性優位理論です。どのようなものかと説明すると、他の人に比べてほんの少しでも得意なことがあれば、その分野については圧倒的な優位性が得られるという理論です。
 
仮にあなたが、複数の友人と英語圏の国を旅行したとします。そのとき、自分が一番マシに英語を喋れるとしたらどうしますか? ただ、喋れると言っても片言です。知っている単語を並べられる程度。こういうときに、臆することなく積極的に自分が前に出て、現地の人たちとコミュニケーションをとる役目を担ってください。なぜなら、その一歩が相対性優位理論を働かせる行為だからです。
 
食事、買い物などの移動先で、率先して現地の人と喋り続ける。他の人はあなたに任せておけばいいだろうと考えて、何もしない。その結果、どうなると思いますか? そうです。帰国する頃にはメンバーの中で、あなたが最も英語が上達しているはずです。少しだけの差だった英語力が、積極的に使うか使わないかで、わずかな期間に大きな差となるのです。大差は微差の積み重ねということがわかると思います。
 
 

相対性優位理論が働くと、さらに優位性が高まる

 
ほんのちょっとの微差を積み重ねることが後に、圧倒的な大差となる。あなたが他人から頼りにされる、相対性優位理論を発揮できる分野は何でしょうか。私の場合は、「ほめ達!」の実践についてです。ほめることの専門家ですから、皆さんよりも相対性優位理論が働いている。
 
ですから私のところには、ほめることに関しての相談や質問が、日々集まってきます。私はそれに対しての返答をします。それを繰り返し続ける積み重ねが、さらに私のほめることへの優位性を高めてくれるわけです。
 
相対性優位理論を働かせるためには、謙遜したり、自信がないからと臆したりしてはダメです。積極的にチャレンジしてください。実力は、やると決めてから高めればいいんです。私にもそういう経験があります。以前、ある人気ドラマのキャラクターのどこに人をひきつける魅力があるのか、「ほめ達!」の見地から意見をしてほしい――という仕事の依頼がありました。
 
実は、その話をいただいたとき、私はそのドラマをまだ観たことがなかったんです。しかし、「コメントさせていただきます」と返事をしました。その取材は依頼の3日後だったので、動画サイトなどを利用して徹夜で全話を見ました(笑)。その結果、きちんとインタビューに答えることができたのです。このように、やると決めた後から勉強することだってできますし、そのほうが自分の力を高める役にも立つのです。
 
皆さんも、相対性優位理論を働かせられる得意分野を持ってください。もしそれが見つけられたら、謙遜して一歩引くのではなく、積極的に活用するよう心がければ、人生に新しい可能性が開けてくるはずです。
 
 

頼まれごとは引き受けるべき

 
中には、他人より得意と思える分野がない。という方もいるかもしれませんね。そういう方は、まず他人からの頼まれごとを積極的に引き受けてみるといいでしょう。頼まれごとを進んで引き受けていると、自分の得意なことや、取り柄が何だったのかに気付けることがありますからね。
 
そもそも依頼してくる側は、あなたにできると思うから頼みごとをするわけです。ですからその期待に応えるべく、嫌がらずにありがたく引き受けるべきです。
 
頼まれごとを面倒に思うこともあるかもしれません。でも面倒なことだからこそ、チャレンジする価値はあります。なぜなら、面倒なことは誰もやりたがらないので、相対性優位理論が働きやすいからです。他人が面倒だと思うことを、肩代わりしてやってみる。そこには自分が成長する大きなチャンスが隠れているのです。
 
面倒だと思っていたことも、やってみれば楽しく感じられて、好きになるかもしれません。やる前の印象とやってみた後の印象が異なるケースはよくあるものです。好きだからやるのではなく、やってみたら好きになる――これは働くうえで大事にしたいキーワードですよね。
 
 

志が仕事への意識を変える

 
頼まれた仕事に対して、「こんな仕事は雑用だ」と思ってはいけません。世の中に雑用という仕事はありません。雑用にするか仕事にするかは、それを行う人の心が決めるのです。
 
ここで、ヒルトンホテルの創業者、ニコラス・ヒルトンの言葉を紹介しましょう。
 
彼はある取材で、「ベルボーイから仕事を始めて、どうやってここまで成功できたんですか?」と質問され、「ベルボーイが成功してホテル王になったんじゃない。ホテル王がベルボーイから始めたんだ」と答えました。
 
これは、志が仕事を変えるという好例だと思います。彼はホテルの経営者になることを志していたから、ベルボーイの仕事をおろそかにせず、高い意識で行っていたのだと思います。
 
どんなに地味な仕事だったとしても、それをゲームのように楽しんでしまうことも一つの手です。未来の自分がインタビューを受けていることを想像し、下積み時代から頑張ったのだと答えている未来の自分にワクワクしながら仕事をしてみるなど、こじつけでもいいから意識を変えて事にあたってみるといいと思います。
 
やらされていると感じながらで仕事をしている人とは、雲泥の差がつきますよ。
 
ほめ達!の「未来を拓く言葉たち」
第7回 相対性優位理論とは何か
 
 
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ぜひ、手にとってみてください!
内容紹介
http://www.dobunkan.co.jp/books/detail/002868
(2017.10.27)

 著者プロフィール  

西村 貴好 Nishimura Takayoshi

一般社団法人日本ほめる達人協会 理事長

 経 歴  

1968年生まれ。大阪府出身の「泣く子もほめる!」ほめる達人。ホテルを経営する家の三代目として生まれ、経営術を学びつつ育つ。関西大学法学部卒業後、大手不動産に入社して最年少トップセールスを樹立。その後、家業のホテルを継いで経験を積み、2005年に覆面調査会社「C’s」を創業する。短所ではなく長所を指摘することが調査対象の企業成長に効果があると発見し、「ほめる」ことの重要性に気付く。数々の実績を上げる中で、2010年2月に「ほめ達!」検定を実施する、一般社団法人日本ほめる達人協会を設立し、理事長に就任。以降、検定を通じて「ほめ達!」の伝播に尽力している。著書に『繁盛店の「ほめる」仕組み』(同文舘出版)、『ほめる生き方』(マガジンハウス)、『心をひらく「ほめグセ」の魔法』(経済界)、『泣く子もほめる!「ほめ達」の魔法』(経済界)、『人に好かれる話し方41』(三笠書房)などがある。

 日本ほめる達人協会オフィシャルサイト 

http://www.hometatsu.jp

 西村貴好オフィシャルブログ 

http://ameblo.jp/nishitaka217/

 フェイスブック 

https://www.facebook.com/hometatsu

 
 
 
 

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