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繁盛請負人・佐藤勝人の時事国々リポート vol.37 台風とコンプライアンス

ビジネス 繁盛請負人・佐藤勝人の時事国々リポート vol.37 台風とコンプライアンス 繁盛請負人・佐藤勝人の時事国々リポート 商業経営コンサルタント/サトーカメラ代表取締役副社長

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皆さんこんにちは、佐藤勝人です。突然ですが、皆さんは出張難民になったことがありますか? 私はつい最近経験しました。先月の12日、場所は岐阜県。「史上最強」と騒がれた台風19号が日本に上陸したまさにその日。いろんな意味で滅多にない経験だったから、今回はその話をします。
 
 

出張難民が確定した朝
もっとマックに通おうと思った

 
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床上浸水した栃木バイパス店。泥がしつこかったのなんのって
前日11日が勝人塾だったんだよね。で、終わったら宇都宮に帰ればよかったんだけど、せっかくだから泊まったの。明日朝早く発てばいいと思って。
 
そして翌12日。朝8時。宿をチェックアウトして駅に行くと、JRが止まっていた。名古屋まで行って新幹線に乗りたいのに、動けない。「走らないの? なんで?」と駅員に聞いたら、台風が来るから終日全面運休だという。国からも通達が出たんだね。不要不急以外は外出を控えるように、ってね。
 
でもさ、天気普通なのよ。それに台風が来るって言ったって、岐阜を通るのは予報によれば15時だ。まだ7時間も先だ。「普通の天気じゃん。走んないの?」と聞いたら、「すいません、社の決定ですので」って。マジかよと思ったけどしょうがない。出張難民確定だ。
 
で、どうすっかなー、と思っていたら嫁から携帯が鳴った。「あなた今大阪ね! よかった大阪に逃げたのね!」って。「はあ? 俺、岐阜だよ」「えっ、違うの? 今台風のテレビで大阪が映っててあなた居たのに」「居たのにじゃねえよ俺はここに居るじゃんかよ」「とにかくどこに居るかは確実にしといて。わからなくなると困るから」「だから岐阜だってばよ。電車が動かないんだよ」「了解。気を付けてね」プッ、ツー、ツー。・・・まったく、しっかりしてるんだかおっちょこちょいなんだかわからん嫁だ(笑)。
 
それからブッキングドットコムで宿を調べたら、普段は一泊1万円のホテルが19万円とかになっている。素泊まり3000円の安宿が5万円だ。「いやいやいや、そんな、でも、んんっ??」――って、『タモリの世にも奇妙な物語』みたいなことになってた。現実じゃないみたいな感覚だった。
 
で、とにかくどこかに落ち着こうと思った。でも駅前に出ても、開いている店はマック、すき家だけ。他の店は全部閉まっている。それで最終的に、椅子も電源もWi-Fiもあるマックに入って、温かいコーヒーを飲んで、やっと落ち着いた。
 
で、することもないからパソコンを開いて今の状況をブログに書き始めた。書くうちに段々腹が立ってきた。「リスクマネジメントか何か知らんが、現地の実際を見ろよ。電車走れるじゃないか。台風来るのは午後3時ってわかってんだから店も昼ぐらいまでは営業しろよ。従業員の給料計算がややこしいから終日休みにしただけだろうが。台風のせいにすんな!」――とまぁ、言葉はもっと丁寧だったけどこういう意味のことを書いていた。
 
ちなみに、パチンコ店はどんなに荒れた天気でも店を開けるでしょう。あれは自治体との約束で、急な避難者を受け入れるために開けているんだってね。パチンコ店は許認可産業なのもあって出店する際にいろんな取り決めがあるが、緊急時は避難所になってほしいというのもその一つだと、パチンコ店の社長から聞いたことがある。今の自分にはマックがその避難所だ、開いてて助かった、帰ったらもっとマックに通おう――と、その社長の話を思い出して思った。
 
 

大手のコンプライアンスの正体を見て
自店の未来像をあらためて決意した

 
そうするうちに昼になり、午後1時頃、勝人塾でおなじみのサッカー専門店ユニオンスポーツの林社長が、ブログを見て迎えに来てくれた。それからユニオンスポーツさんで過ごさせてもらい、宿のことを思い出してブッキングドットコムを開くと、また値段が上がっている。でも、私がいつも使う一泊6000円のホテルは1万6000円どまり。それだってほぼ3倍だが、他はこんなもんじゃないからもうとっちゃえ、と思って予約を入れた。宿が確保できれば一安心だ。あらためて個別支援の続きをしたりして夕方まで林社長のお世話になった。おかげでものすごくありがたかったのと、ユニオンスポーツさんは林社長の考えと判断でちゃんと一日店を開けていたことを、ここに特記しておく。
 
そして夕方5時頃。林社長にお礼を言って店を出た。結局大した荒天にならずに台風は関東に抜けたから、街は平常のままだ。なのに、ホテルに向けて歩いていくと、店が営業していない。個人店はちらほら開けているが、大手チェーン系は全部臨時休業だ。
 
呆れたね。そりゃ事情はわからなくはないよ。一度休みにしたバイトスタッフにまた来てもらうのは難しいと思う。でも、だったら社員スタッフでやれる範囲ででも営業したらどうなの? 状況に応じて店を開けるのが商売じゃないの? そう思って釈然としないままホテルに着いて、念のためもう一回ブッキングドットコムを開いたら――
 
呆れたね。4000円になっていた。一般的なホテルのチェックインの時間を過ぎてキャンセル確定が大量に出たから、今度は安売りに振れていたんだ。
 
それでチェックインのとき、フロントの人に聞いてみた。「これ4000円で出てるよ。私1万6000円なの?」「はい。そうですね」「いやでもさ、あれじゃない? ちょっと、やり過ぎじゃない?」「・・・」彼は黙って下を向いている。予約サイトのシステム上そうなるからで彼が悪いんじゃないのはわかるから、それ以上追及しなかったけど。
 
でも、やっぱりおかしい。部屋に入って天井を眺めて朝からのことを思い返しながら、つくづくそう思った。現実を見ず過度なリスクマネジメントに走る鉄道会社。従業員の安全確保だなんだと誤魔化して休業する大手チェーン。システムに丸投げで客の足元を見た商売をして悪びれないホテル・・・。
 
極めつけが、宇都宮に帰ってから見たワークマンの対応だ。私は床上浸水でやられたサトーカメラ栃木バイパス店の応援のために、14日から連日、車で通った。途中にあるワークマンも同じ床上浸水の被害にあっていて、14、15日あたりは本部社員らしき人たちが大勢来て一斉に商品を廃棄処分していた。確か、16日にはキレイに片付いていたと思う。私は「さすが大手だなぁ、思い切りがいいなぁ、統率がとれてるなぁ」と感心した。
 
でも、それから18日になってもまだ営業再開しない。地域の人たちが作業着とか長靴とか手袋を買いたくて待っているのに。それで我慢できなくなって店番の人に聞いたら、「再開は3週間後です」と来たもんだ。呆れたね。
 
字数がないから手短に言うが、私の考えではこれが大手称する「コンプライアンス」の正体だ。年々エスカレートするリスクマネジメント。現場が自分で考えなくなる加盟店制度。システムに責任を丸投げしたオペレーション。自社都合優先で緊急の必要物資すら地域の人たちに売らない経営判断。
 
これらの「コンプライアンス」に共通するのは「地域を見ていない」ということだ。私は、今後サトーカメラがどう大きくなるとしても絶対にこうはなるまいと決意した。決意させてもらえたという意味で今回の台風の経験は大きかった。これからこの経験を活かしていこうと思う。
 
11月20日~12月31日までの勝人塾
 
■11月20日~26日アメリカ西海岸商業視察セミナー
事務局/日本販売促進研究所
https://www.facebook.com/events/2367147526885353/
 
■12月18日(水)とやま勝人塾IN黒部+忘年会
事務局/フォトサロンドン
 
■12月20日(金)とちぎ勝人塾IN宇都宮+忘年会
事務局/日本販売促進研究所
後援/栃木県商業界同友会
 
第18回「ニコニコチャンネル ニッポン勝人塾」(11/29 15:00 – 16:00)の告知
 
■講演依頼・セミナー依頼
個別支援等々佐藤勝人への問合せは
https://jspl.co.jp/contact/
 
 
■アルバム救済活動支援金
全国から募集させていただきます。栃木県内浸水19,237棟(県庁調べ)
被災された方々へのアルバム救済活動資金として救済活動に使わせていただきます。
その活動内容に関してはサトーカメラ自社サイトにて随時公開させていただきます。
 
サトーカメラ株式会社
災害対策委員 店長一同
 
振込先はコチラ
栃木信用金庫 本店
[普通]0380760
サトーカメラ株式会社
代表取締役社長 佐藤千秋
 
クラウドファンディングはコチラ
↓↓↓
https://faavo.jp/utsunomiya/project/4153
 
お問合せ
サトーカメラ株式会社
栃木県宇都宮市陽東3-27-15
本部(電話) 028-613-6681
災害時対策委員長 湯澤裕徳
 
アルバム救済活動とは
↓↓↓
https://ameblo.jp/omoide-kaeru/entry-12535332464.html
 
 
 
繁盛請負人・佐藤勝人の時事国々リポート
vol.37 台風とコンプライアンス

 著者プロフィール  

佐藤 勝人 Katsuhito Sato

サトーカメラ株式会社・代表取締役副社長/日本販売促進研究所・商業経営コンサルタント/想道美留(上海)有限公司・チーフコンサルタント/作新学院大学・客員教授/宇都宮メディアアーツ専門学校・特別講師

 経 歴  

1964年栃木県宇都宮市生まれ。1988年、兄弟とともに家業のカメラ店をカメラ専門チェーン店に業態転換させ、商圏をあえて栃木県内に絞ることにより、大手に負けない経営の差別化を図った。以来、「想い出をキレイに一生残すために」というコンセプトを追求し続けて県内に18店舗を展開。同時におちこぼれ社員たちを再生させる手腕にも評価が高まり、全国から経営者や幹部リーダーたちが同社を視察に訪れている。2015年からはキャノン中国とコンサルティング契約を結び、現場の人材育成の指導にあたる。主な著書に『売れない時代はチラシで売れ』『エキサイティングに売れ』(以上同文館出版)『日本でいちばん楽しそうな社員たち』(アスコム)『一点集中で中小店は必ず勝てる』(商業界)『断トツに勝つ人の地域一番化戦略』(商業界)など。新刊の『モノが売れない時代の「繁盛」のつくり方』(同文舘出版)が好評発売中。

 オフィシャルサイト 

http://satokatsuhito.com/

 オフィシャルフェイスブック 

https://www.facebook.com/katsuhito.sato.3?fref=ts

 サトーカメラオフィシャルサイト 

http://satocame.com/

 
 
(2019.11.20)
 

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