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忘れられないあの名前
~有名企業にネーミングセンスをあやかる~

 
 
 命名というのは責任重大だとつくづく感じる。たとえば、最近は子供の名前も実に個性的というか、キラッとしていて、ふりがながないと読めないし、読み方を聞いてびっくりすることも。かくいう私の名前も、長年平凡なつもりだったのに、食のグローバル化により中国表記でパクチーを意味する漢字と知った時の衝撃たるや! おかげで(?)パクチー好きだからいいけど・・・。パクチーはさておき、インパクトのある名前の場合、賛否はあれど、印象に残ることは間違いなし。それは人名に限らず、商品然りなのです! 
 
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こちらが乗用草刈機まさお。試作機によるテストの時、その刈刃の
すさまじい切れ味に全員が驚嘆。「どんな草でも真っ青(まっさお)
ばい!」と。ちなみにその日の朝、包行会長が髭剃りの真っ最中に
ひらめいたアイディアも「そうだ。草刈機・・・? まさお!」であった
 CMで聞いた商品名が忘れられず、店頭でつい手に取っちゃうこと、あるある。時には、自分にはあまり縁のない商品なのに名前が印象的過ぎて興味を持つこと、あるある。そう、たとえば『草刈機まさお』――。某二枚目俳優が頭をよぎりますが・・・草刈機の名前なんですよね、これ。・・・ダジャレやないか! 
 
 と、こんな大胆な名前の商品を世に送り出しているのが、福岡県に本社を置く、株式会社筑水キャニコムさん。ホームページを拝見すると、一度聞いたら忘れられないダジャレネーミングの嵐! しかも、商品の特徴をよくとらえているところがニクい! どうやら、ネーミングには並々ならぬこだわりがある様子。そこで自らネーミングを考えるという包行均会長に突撃しました!
 
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「三輪駆動」で電動だから、「駆動は静か」な、トランスポートコミューター・
三輪駆動静香。CO2の排出も無く、クリーンで個別配送に適し、誰でも
安心・軽快に運搬! 風景を眺め、風を感じ真心を込めて運んでほしい
 「ネーミングは喜びであり、愛がないとできません。まさに子供の名付けと一緒。どんなふうに育ってもらいたいかを名前に託すのと同じように、製品の機能を伝えたい、お客様に愛される商品に育ってほしいという想いが凝縮されています。さらに、愛着を持って開発に取り組んでくれた社員への感謝として、味気ない型番ではなく、親しみのこもった愛称をつけています」。
 
 ――1986年、『ピンクレディ』なる女性に優しい小型クローラ運搬車を発売した当初は販売店から「ふざけるな」と叱られたという武勇伝を持つ筑水キャニコムさん。それでも、ネーミングにこだわるのは、そんなアツ~い想いがあったんですね。取り扱う商品は、運搬車や草刈機といったニッチな分野かつ人目につきにくい場所で使われるものばかり。それなのに、数字やアルファベットの商品名じゃ確かに地味。そこで、『ピンクレディ』も「農業分野でも、女性や若い世代に農業機械を使ってもらいたい」という想いで命名したことを説明すると、販売店からも理解を得、なんとこれが大ヒット商品に! 
 
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草を前(フロント刈取り部)で刈る。しかも
仕上がりは男前にスタイリッシュに清々しく。
付いた名前は男前刈清!
 その後も快進撃を続け、『乗用草刈機まさお』の他『おでかけですカー』『三輪駆動静香』などなど、ヒット商品を連発(由来はキャプション参照)。しかも、社内にはネーミングに合った製品デザインを実現する、“DNB戦略企画室”(D:デザイン、N:ネーミング、B:ブランド)という部署まで設けているそうで、ダジャレに笑うどころか姿勢を正したくなる気分です。
 
 それにしてもこの絶妙なセンス、いったいどこから生まれるのか・・・。「何かの拍子に思い付くことが多いですね。仕事と遊びに垣根がないことがアイディア発想の秘訣の一つかもしれません。堅苦しい中からいい案が生まれた試しはないので、仕事にも遊び心を取り入れ、また、逆に休日でも新製品やネーミングのことをぼんやりと考え続けています。遊びの中にこそ、ヒントあり。ビジネスを楽しむ。これぞ私がモットーとしている“遊ばざるもの働くべからず”です!」とのこと。ふ、深い・・・。
 
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外出時に隣近所が「おでかけですか?」「はい、ちょっとそこまで」と
顔を合わせ言葉を交わす、温かく人情味にあふれた昭和30年代の
日本。近所付き合いやコミュニケーションが希薄になった現代にこそ、
互いに気遣い、活気あふれるあの時代の感覚が必要。その再現に
役立ってほしい、おでかけですカー
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草食系男子が定着した昨今。日本が高度成長を目指し突き進んで
いた頃の、バイタリティーあふれる男性、幾多のハードルも力強く
乗り越え頼りにされたお父さん。日本中を駆け巡り、力強く雑草を
刈り、女性には頼れる相方として使ってもらいたい。そんな想いを
込め、男働盛清と命名。働盛は、今でしょ、日本男児 !
 ちなみに、人の記憶に残り、愛される名前をつけるコツって? 「愛と勇気と遊び心でしょう。まずはお客様に提供する製品の機能・性能も自分の子供も、同じくらい愛情を傾ける。そして枠にとらわれず、誰が聞いてもパッとわかるシンプルな遊び心を最大限に発揮し、さらに世間の反応・反発を恐れず、勇気を持ってそのネーミングを打出していくこと。ネーミングの最終決断は度胸です。ただし、女性、特に主婦の方に嫌われる名前はだめですよ」。なるほどー!! 今後の人生、商品企画に携わることや、はたまた「この子に名前を付けてやってください」なんて、ネーミングのセンスを問われる機会が一度や二度あるかもしれない。その時は皆さん、包行会長の言葉を思い出してください。
 
 名前には、一つひとつ、名付け親の想いが込められていると痛感。私も、自分の名前に隠された意図をくみ取って、万人には受けなくても、一部からはコアに愛されるパクチーのような人間になりたいと思います・・・。
 
 
 
株式会社筑水キャニコム
ホームページ http://www.canycom.jp
 
 
 
 

忘れられないあの名前 ~有名企業にネーミングセンスをあやかる~

 
 
 

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