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おいしい! ヘルシー! ミドリムシ ~ミドリムシが未来を創るらしい!?~

 
 
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体長約0.05mmという小さな体に無限の可能性を秘めたミドリムシ
 最近、巷で “ミドリムシ” が 「身体に良いらしい」 と噂になっている。そうは言われても、ミドリムシって未知の存在だし、どうも “ムシ” という響きに怖気づいて、手を出す勇気が出ない・・・。しかし、なんと “東京のオシャレな街” の一つに挙がる自由が丘界隈では、ミドリムシのグルメがすでに浸透しているらしい! もはや、「ミドリムシ? なにそれ? おいしいの?」 なんて言っていられないようだ。自由が丘のグリーンストリートで、毎週土曜日に渦中のミドリムシが味わえるというので出かけてみた。
 
 ビルの前に緑色の移動販売車を発見! 「ユーグレナファーム 」・・・ここでミドリムシフードが買えるの? 確かに、メニューは全部緑色。どうやら、この “ユーグレナ” がミドリムシのことらしい。さっそく、「ユーグレナ・ラテ」(¥400)、「ユーグレナ・スムージー」(¥500)、スイートチョコ味とそら豆ペーストチョコ味の 「ユーグレナ・ベーグル」(各¥350) を注文。肝心のお味は・・・めちゃくちゃおいしい! ラテは、練乳の優しい甘味が効いていて、抹茶ラテのよう。いっぽうスムージーは、緑黄色野菜やリンゴもたっぷり入ってフルーティー。ベーグルも抹茶のようなほのかな風味の生地はむっちりと食べごたえ満点で、ナッツの歯ごたえが良いスイートチョコや、そら豆とホワイトチョコがマッチしたフィリングがスイーツ感覚で楽しめる。それにしても、“ユーグレナ” が “ミドリムシ” で、おいしく食べられるのもわかったけれど、ミドリムシって結局何者? 何がどう身体にいいの? 気になって仕方ないので、ユーグレナ ファーム号を運営する “ミドリムシ∞カンパニー” こと、株式会社ユーグレナさんを突撃!
 
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ほのかな緑色のユーグレナ・ベーグル。甘~いユーグレナ・ラテ(奥
左)と、爽やかな味わいのユーグレナ・スムージー(奥右)とご一緒に! 
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これが毎週土曜日、自由が丘に登場する「ユーグレナ ファーム」号だ!
とってもオシャレなうえ、ミドリムシのバイオ燃料を使ったエコな車だとか
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(株)ユーグレナの受付で発見!この中には
なんと、約7億匹ものミドリムシがいるのだ
 (株)ユーグレナは、東京大学発のベンチャー企業。東大内に研究室があり、ミドリムシの研究・培養において最先端を行くスゴイ企業なのだ。単刀直入にお聞きしますが、ミドリムシって、虫ですか? 「そう思われている方は多いんですが(笑)、ミドリムシは学名をユーグレナと言い、ワカメやコンブと同じ藻の一種なんですよ。誤解を招くような和名が付いたのは・・・鞭毛で動き回る様子がゾウリムシをはじめとする他の微生物と似ていたからかもしれませんね」 と答えてくれたのは、鈴木健吾研究開発部長。ミドリムシとは、大学時代に環境技術の研究テーマとして着目して以来のお付き合いなのだとか。
 
 それにしても、“ミドリムシはコンブやワカメと同じ” と聞くと、抵抗がなくなります。でも、フードやサプリが注目され始めたのって、この3年ほどですよね。「ミドリムシは原子の地球で初めて誕生した生物の一つであるものの、脚光を浴びたのは1950年に光合成の仕組みの解明に用いられてからでしょうか。その後、様々な研究が進み、1990年代には動物性・植物性のタンパク質やミネラル、アミノ酸など、実に59種類もの豊富な栄養素を含むことがわかり、食料問題対策に役立てようという動きが高まりました。2005年には、石垣島で食品としての屋外大量培養を実現。2009年、日本科学未来館と共同開発したミドリムシクッキーの発売を皮切りに様々な食品を世に送り出し、ようやく皆さんに知られるようになったところです」。
 
 59種類もの栄養素! それは確かに身体にも良さそう。「特に、パラミロンという栄養素はミドリムシにしかない貴重な成分で、コレステロールの排出に効果が期待できます。また、ミドリムシの細胞は消化しされやすい細胞膜で覆われているため、消化・吸収率も非常に良く、必要な栄養素を効果的かつバランスよく摂れるので、健康のサポートに役立ちます。直接摂取して栄養の過不足を整えるのはもちろん、家畜や養殖魚の飼料にも最適なので、ミドリムシは世界の食料問題に一石を投じられる夢のある素材と言えます」。
 
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左から経営戦略部の椋木さん、鈴木研究開発
部長、経営戦略部(広報)の安間さん
 なるほど、世界の食料問題がミドリムシにかかっているといっても過言じゃないんですね。「それだけではありません。ミドリムシは光合成を行うので、たとえば火力発電所の隣で熱を利用して培養すれば、二酸化炭素の削減にも効果的。そして現在、ミドリムシから抽出したオイルによるバイオジェット燃料の研究が進んでいて、2018年の事業化を目指しています。ジェット機から排出される二酸化炭素もミドリムシの光合成の素となりますから、持続可能な循環型社会を実現する可能性を秘めているんですよ。ちなみに、移動販売車のユーグレナファーム号には、すでに一部にミドリムシからつくったバイオ燃料を使っています」。
 
 ミドリムシで・・・ジェットが飛ぶ?? しかも環境に優しいなんて、小さな体にいったいどれだけの可能性を秘めているんだ? 「食品に現在使っているミドリムシ、ユーグレナグラシリスは温かい場所での培養が適していますが、100種以上に及ぶミドリムシの中には寒さに強い種類もいるので、寒冷地での培養もできるかもしれません。今後も研究を進め、化学製品や医療の現場などでも役立てたいですね」。
 
 お話を聞けば聞くほど、ミドリムシの偉大さに頭が上がらない。皆さん、ミドリムシは虫じゃありませんでした。それどころか、地球の未来を担う夢ある素材でした。「なにそれ?」 なんて言ってごめんね、ミドリムシ。おいしいうえに、こんなに世の中の役に立つ奴だったなんて。頑張れミドリムシ! 無限の可能性を秘めたミドリムシの、活躍に乞うご期待!
 
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クッキーやカンパン、お米などのミドリムシフードは通販もあり
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お土産にいただいた緑汁とユーグレナ・バー。おいしかったです!
 
 
★ユーグレナファーム号の出動情報はこちらから! http://euglena-farm.jp/
  株式会社ユーグレナ http://euglena.jp/
 
 

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