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スペシャルインタビューSPECIAL INTERVIEW

 
 
共演者や監督、スタッフの方々など、多くの人と関わる俳優の仕事。萩原さんは、「自分を客観的に見て、求められている芝居をすることが大切だ」と語ってくれた。そういった意識は、どのように学んできたのだろうか。
 

「かっこいいに憧れて」がテーマ

 
大切なのは、台本を読んだときに自分の中で役を発想することだと思っています。ただ書かれている通りに演じるのではなく、もっとこういう風にできるんじゃないかと考え、役と向き合う必要があります。それは、いろんな先輩方から学んできたやり方かもしれません。
 
直接言葉で教えていただいたことはありません。演技は感覚的な部分が大きいので、言葉にして伝えられるものでもないでしょうしね。ただ、同じ現場で過ごす中で、「あの人、すごくかっこいいな」と感じたり、「この瞬間が素敵だったな」と思ったりすることがあるんですよ。そういった言葉に表せない感覚を、自分の中に落とし込んできました。それが、今の自分のやり方につながっているんだと思います。
 
僕は昔から、「かっこいい」に憧れてきました。それはウルトラマンなどのヒーローだったり、ヴィランだったりもします。ビジュアルや考え方、生き方などすべてに通ずる「かっこいい」です。その「かっこいい」ものに対して、常にアンテナを張るようにしています。そうしてアンテナに引っかかったものを、無意識に吸収しているのかな、と思うこともあります。
 
自分をかっこいいと思っているわけではありません。ただ、今後も生きていく中で、ずっとかっこいいものに憧れ続けるんだろうなと感じています。「かっこいい」って、人によって価値観が違いますよね。優しいからかっこいいと思ったり、ビジュアルが素敵だからかっこいいと思ったり。僕の中でもそれが確立していて、「あのおじいちゃんの振る舞いはかっこよかったな」「あの小学生かっけえなぁ」と思うことも多いですよ。
 
そういう、かっこいい人を目指しているのかと聞かれると、難しいところです。ただかっこいいものが好きで、憧れているというのが一番しっくりきますね。僕が生きるうえでのテーマでもあります。100%納得できる演技が一生できないのと同じように、理想の「かっこいい」に到達できる日は来ないでしょうね。仕事にしろ生き方にしろ、一生理想に着地できないものと一緒に生きているんだなあと感じています。
 
 
俳優業を始めて35年を迎えた萩原さん。長く演技を続ける中で、どういったモチベーションを持っているのかお聞きした。
 

良縁に気付く力を養う

 
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俳優は常に人と出会い続ける仕事です。わかりやすいところで言えば、共演者ですね。でも、作品づくりには監督をはじめとして、カメラマンや照明さん、メイクさん、衣装さん、助監督など数えきれない人が携わっています。そのすべての出会いが仕事の楽しみとなっているんです。
 
もちろん再会もあるものの、多くが初対面の人たちです。初めて会う人ばかりで集まった集団が、最初から同じ場所を目指して作品をつくるって、すごいことですよね。みんなで一緒に一つの目標に向かって・・・というとチープになってしまいますが、なかなかあり得ないことだと思っていますし、すごく楽しいですよ。
 
人との出会いは、とても大きなエネルギーを得られるんですよ。俳優として成長するには、良縁に恵まれることが大切だと思っています。人と出会い、インスパイアされることで成長するきっかけをつかめるんじゃないかな。僕自身も出会った人たちにそういった良い影響を与えられる人間でありたいですね。
 
そういった良縁に気付くには、自分の中でアンテナを張っておく必要があります。意識していないと、良縁に気付かずスルーしてしまうかもしれません。運や縁が大切だと言うと、「それだけかよ」と思う方もいるかもしれません。でも、それに気付く力を養っておかないと意味がないんですよ。
 
また、作品を観てくださった方々からの声が大きなモチベーションになっています。ファンの方はもちろん、スタッフさんや事務所の人々もそうです。「この作品見たよ」「良かったよ」といった声、そして人との良い出会いがあって、この仕事を続けてこられました 。