◆商店街の古民家を改修
こんにゃく寿司とかき氷の店
2020年秋にオープンしたこんにゃく寿司とかき氷の店「KON」
思うように帰省や旅行をすることが難しい昨今。そうした中でも、各地の名産品を取り寄せるなど、工夫して食を楽しみ、癒されている人は多いでしょう。そんな人にぜひ教えたい、各地の旬の味やスペシャリストによる厳選メニューと出合える、ノスタルジックな隠れ家があります。
自然を身近に感じる、閑静な住宅街が続く渋谷区西原。新旧の店舗が入り混じり、にぎわいを見せる西原商店街の一角に、昨年2020年秋にオープンしたのが、こんにゃく寿司とかき氷の店「KON(コン)」です。KONは、フランス・パリでオートクチュール刺繍を学び、パリと東京を拠点に活躍する刺繍作家・小林モー子氏が、居心地よい空間に親しい人たちを招き、旅先で見つけた旬の食材のお裾分けをしたり、シェフから教わった特別なレシピをシェアしたりするような感覚で、心地よい驚きとおいしい時間を届けたいという思いから誕生しました。
築60年の古民家を改修した懐かしさと新しさを感じるとっておきの空間で出合う、各地の美味と、心のこもったおもてなし。心身が満たされる充実のひと時を過ごしてみませんか?
◆熊本の郷土料理「こんにゃく寿司」と
季節のかき氷を中心に厳選メニューを
イートインだけでなく、テイクアウトにも対応
KON誕生のきっかけは、小林氏が毎年訪れる熊本で、そのおいしさに魅了されたという、おばあちゃん手づくりの「こんにゃく寿司」だと言います。こんにゃく寿司とは、熊本県阿蘇郡・小国町で親しまれている郷土料理。いなり寿司の油揚げのかわりに熊本の醤油やきび砂糖で炊いたこんにゃくで酢飯を包んだ田舎寿司であり、もともと、海の魚がなかなか手に入らない高知の山間部で生まれたものなのだとか。身近なものを工夫した土佐の人たちの知恵やユーモアを引き継ぎ、アイデアを加えたこんにゃく寿司は、現在も小国で日常的に愛されています。
KONでは、熊本県阿蘇のカフェ「TienTien」の山田眞由美氏監修による、伝統の調理法を軸に大葉と山葵を効かせて山椒の葉をアクセントに仕上げたオリジナルのこんにゃく寿司を考案。江戸時代から伝わる熊本南関町の伝統食品「南関あげ」でつくった一口サイズの南関いなりとセットで提供しています。
こんにゃく寿司とともにKONの看板メニューになっているのは、ドルチェかき氷で知られる渋谷・神山町の「セバスチャン」の川又浩氏が監修した、五感を刺激するような絶妙な食材のマリアージュを楽しめる大人のための季節のかき氷。「ローズマリー風味の煎茶と芳ばしい玄米茶」を定番に、季節ごとに「とうもろこし」、「かぼすとクリームチーズ」など、旬の果物や野菜、ハーブやスパイスを使用した新感覚の個性豊かなかき氷が1年中味わえるとあって、何度でも足を運びたくなってしまうことでしょう。こんにゃく寿司とかき氷にセットでつく九州・福岡の日本茶酒房 万(yorozu) の厳選された日本茶も、ぜひチェックしてみてください。
こんにゃく寿司と南関いなりを合わせて提供
趣向を凝らした季節のかき氷を1年中味わえる
◆街と暮らしに溶け込み
“未来の老舗”を目指す
アンティークの家具やアートが調和した心地いい空間
KONではこんにゃく寿司とかき氷のほか、現在は西原商店街の諸国小料理屋「JICCA」の人気メニュー「塩バターパン」を使用した特別コラボメニュー「塩バターあんぱん」を毎週日曜の午前中に数量限定販売しており、こちらも大好評です。このように地元商店街の店舗とコラボレーションするなど、街と地域の人々の暮らしに自然と溶け込んでいます。
KONの店内は、以前の家主から受け継いだ造り付け家具や照明に、店主がパリをはじめ各地で集めたアンティークの家具やオブジェ、現代作家のアートが調和。職人の技と古きものと新しいものが共存することで、親しみやすさや居心地のよさを生み出しています。また、エントランス部分には木材や真鍮など、美しく経年変化する素材が用いられており、これからKONがこの街で、どんな表情を見せていってくれるのか楽しみです。
KONが目指すのは、街の人々が集い寛げる場所として、長年愛される“未来の老舗”。これからも、変わらぬ味のこんにゃく寿司と、かき氷をはじめとしたその時々のおいしいもので、もてなしてくれることでしょう。古くからの知人を訪ねるような、懐かしい故郷に帰るような、そんな気持ちで、ぜひ、KONを訪ねてみてはいかがでしょうか。
こんにゃく寿司とかき氷 KON
〒151-0066 東京都渋谷区西原1-14-13
営業 11:00~20:00 (売り切れ次第終了)
※現在は時短営業のため17:00閉店
定休日 感染症対策のため当面、月~水曜日休み
https://kon-kon.jp/