◆伝統工芸と現代の感性が融合
JIKAN STYLEの手ぬぐい
7月ともなると、一気に“夏本番”といった気候になってきますね。昔から日本では、高温多湿な夏を楽しく快適に過ごす工夫が盛りだくさん。そのためか、現代においても、夏場が近づくと、風鈴や扇子、浴衣といった和のアイテムがフィーチャーされることが少なくありません。特に、近年は雑貨店でも手ぬぐいが充実。実際、タオルやハンカチ変わりに愛用している方もいるのでは?
起源は奈良時代とも言われる手ぬぐいは、江戸時代に入ると木綿の着物の端切れが活用され、デザインも多彩になり、日本人の暮らしに浸透していきました。綿100%の手ぬぐいは丈夫で肌触りもよく、ハンカチやタオルとしてはもちろん、日除けやカバン、時には包帯代わりにもなるなど、実は多彩な用途があります。
そんな手ぬぐいの魅力を、伝統の技法とモダンなデザインをもって現代に伝えているのが、繊維製品の老舗製造卸会社、宮本株式会社が運営する「JIKAN STYLE(ジカンスタイル)」です。「kenema(気音間)」や「時感」といった現代の感性にフィットするブランドを展開し、手ぬぐいの奥深さを教えてくれるJIKAN STYELの取り組みに注目しました。
◆注染の技法を活かした
美しいグラデーション
JIKAN STYLEの主力ブランド「kenema」と「時感」。「kenema」のコンセプトは、日本人の美意識を支える3つの要素「気(ke)――美しい気配、音(Ne)――美しい音色、間(Ma)――美しい間合い」です。日本人はこの3つの要素を複合させ、物や事、場を永々とつくってきました。そうした観点から、「kenema」では日本の伝統工芸・産業を活かし、日本人の感性、現代の生活にあった新しい製品を手がけています。いっぽうの「時感」のコンセプトは、「時のうつろいを感じる」。日本人の繊細な感覚を表現したデザインのアイテムがそろっています。
各ブランドで扱っている手ぬぐいの多くは、昔ながらの「注染」という技法で、職人が一つひとつ木綿を手染めしたもの。注染は、手ぬぐいの人気の高まりに伴い染色の技法が発展する中、明治初期に開発されました。特殊な糊で生地に防染して重ね、その上から染料を注いで模様を染める型染であり、一度に複数の色を染めることが可能です。そのため、美しいグラデーションを表現できるのが、注染の魅力の一つと言えるでしょう。もちろん、熟練の職人が手作業で染めているため、まったく同じものは二つとありません。
◆さまざまなシーンで活躍
手ぬぐいのある暮らし
薄くてかさばらない手ぬぐいは、ハンカチとして持ち歩くにもぴったり。切りっぱなしの形状は水分が蒸発しやすいので、衛生的でもあります。さらに、冒頭でも述べた通り、手ぬぐいは日常のさまざまなシーンで活用できる万能選手。古くは手拭き以外に料理の出汁漉しや切れた鼻緒の代用品、古くなれば裂いてお掃除のはたきに利用するなど、常に生活と密接な関係にありました。JIKAN STYLEでは、こうした手ぬぐいの多彩な活用方法もWeb上で積極的に発信しています。
昔ながらの使い方以外に、持ち歩きにも便利なペットボトルや瓶・缶の包み方やギフトのラッピング方法、ファッションアイテムや、テーブルコーディネート、ティッシュボックスカバーへの活用など、アイデア次第でさまざまな楽しみ方があります。気に入ったデザインを活かし、そのままタペストリーとして飾るのもいいでしょう。手ぬぐいのシンプルな四角い形状には、無限の可能性が詰まっていると言えるかもしれません。
https://www.jikan-style.net
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