下町の風情が懐かしい、東京都台東区・谷中。周辺の根津・千駄木と合わせて「谷根千」と呼ばれるこのエリアは、路地裏に個性的な店が点在し、街歩きのスポットとして人気を集めています。昔から猫が多いことで知られ、現在も谷中銀座をはじめあちこちに猫のモチーフが見られるなど、猫好きにもたまらないスポットです。
 
谷中の中でも、「へび道」と呼ばれる曲がりくねった路地は、民家の影に隠れ家のようなカフェや雑貨店が現れるユニークな道。この一角に、2016年10月、また1つ新しい店が誕生しました。スウェーデンのインテリアとガラス製品がそろうセレクトショップ「SWEDEN GRACE（スウェーデン グレイス）」。実は、スウェーデン出身の女優・川上麻衣子さんの店なのです！
 
以前から店を出す構想を練り、場所を探していたという川上さん。もともと縁のある地であったものの、決め手はテレビ番組のロケで飲み歩き、すっかり谷中が気に入ったからなのだとか。猫好きとしても知られる川上さんにとって、猫の町・谷中はまさに相性ぴったりな場所だったのかもしれません。忙しい合間を縫って自ら店舗を探すなど、川上さんがこだわりを詰め込んだ「SWEDEN GRACE」を、今回はご本人に紹介していただきました。

近年、注目を集めているスウェーデンをはじめとした北欧のインテリア。シンプル・ナチュラルでありながら、明るい色使いや植物など自然をモチーフにしたものが象徴的です。これは、日中も太陽が出ない時間が長い“極夜”があり、家の中で過ごすことが多いため、心地よく過ごす工夫から。「SWEDEN GRACE」の店内も、デザイナーのご両親のもと、幼少からスウェーデンのデザインに触れて育った川上さんが現地で買い付けて来たものや取り寄せた商品ばかりとあって、温かな雰囲気に包まれています。
 
現在、「SWEDEN GRACE」の主力商品となっているのは、スウェーデンの可愛らしい小物たち。トレーやティーカップなど日常使いのアイテムも、カラフルな色使いだったり、ダーラナホースやトナカイのイラストが入っていたりと、スウェーデンらしさ満載です。種類豊富な食卓用のキャンドルスタンドや、スウェーデンではポピュラーだという壁にかけて使うキッチンタオルなど、商品のラインナップから日本との文化の違いにも触れることができます。
  こうしたアイテムを1つ取り入れるだけで、いつものキッチンも違った表情に。価格も手ごろなものが多いので、あれこれ集めて、気分に合わせてコーディネートを楽しむのもいいでしょう。「SWEDEN GRACE」には、スウェーデン流“暮らしを楽しむヒント”が溢れています。

女優業のかたわら、ガラスデザイナーとしても活躍する川上さん。「SWEDEN GRACE」には、スウェーデンのインテリアだけでなく、川上さんの作品もそろっています。これまで何度も個展を開いてきたものの、ガラス作品が常時販売されるのは、なんと今回が初めてのことだそう。商品の中には愛猫・リッカちゃんと店のロゴである王冠をモチーフにしたイラストを川上さん本人が手彫りしたグラスもあり、ファン垂涎の品となっています。
 
また、「SWEDEN GRACE」の店内には、川上さんらしくあちこちに猫の写真やアイテムが。猫の保護活動支援のために募金箱も設置されており、募金に協力すると川上さんが編集・発行まで行っている新聞「女優と猫」が1部もらえるそうです。

「14歳で女優デビューし、アルバイトもしたことなかった」という川上さん。驚くことに、芸能活動のスケジュールが許す限りなるべく店頭に立っているそうで、接客や、なんとレジを打つこともあると言います。店で過ごす時間について、「この店は自宅のように居心地のいい場所。お客様と触れ合うことで、新たな情報を得ることも多いですね」と、楽しそうに語ってくれました。
 
現在、スウェーデンのベビーグッズの取り扱いの準備が進んでいる他、「店の定休日を使ってスウェーデン語のワークショップなどもやってみたい」と、新たな展開にも意欲を見せる川上さん。様々な要素が詰まった「SWEDEN GRACE」は、インテリアショップの枠を超え、マルチな才能と魅力を持つ女優「川上麻衣子」のラボのような場所とも言えます。今後が楽しみな「SWEDEN GRACE」。谷中に訪れた際は、ぜひ足を運んでみましょう。