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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

利用者のペースに伴走し
一般就労の道へ送り出す

 

社会とつながるための軽作業

 
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濱中 あらためて、就労継続支援B型事業所ラ・ポーズさんで行われていることを教えてください。
 
河田 いろいろな理由で働きづらい方が一般就労をできるように、生産活動や社会参加の機会を提供しています。平日は9時~16時、土曜は隔週9時~14時で、ご自分に合った軽作業をしていただいて、スキルを身に付けてもらうんです。
 
濱中 主にどのようなご事情の方が利用されているのでしょう?
 
河田 ひきこもりの方や身体的・精神的に障害のある方が通ってくださっています。そういった利用者さんやスタッフのみんなで病気や障害を受け入れながら、社会的な訓練を行っているんです。
 
濱中 社会に出る前の準備をサポートしてくれるんですね。利用者さんの軽作業には、どのようなものがあるんですか。
 
河田 防災グッズやPCR検査キットの検品・組立など、さまざまな手仕事をご用意しています。例えば、当事業所の出入り口付近にパチンコ台があったでしょう? あれは、遊技機の解体作業を行うんです。
 
濱中 そうやって利用者さんが作業を担ってくださっているからこそ、私たちは大切な物を使えているんですよね。実は、私がゼネラルマネジャーを務めている関西独立リーグ球団「和歌山ファイティングバーズ」のスポンサーの方も、就労支援の事業所を運営されています。古くなった硬式球の皮を剥がして縫い合わせる、という作業内容なんですよ。
 
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河田 硬式球のリサイクルですね。その作業現場に立ち会われたわけですか。
 
濱中 はい、見学させていただきました。利用者さんたちは、こちらが声をかけても気付かないほど作業に集中なさっていましたね。「こうやって球が生まれ変わっているんだ」と感動しました。お一人おひとりが手間暇かけてつくってくださった球を大事に使ってほしいので、選手のみんなにも事業所を見学してもらおうと考えています。
 
河田 実をいうと弊社も、小さな企業ながらスポンサーなんです(笑)。私と同じく事業所を運営している元球児の友人が少年野球を監督していまして、そのチームを我々がサポートしているんですよ。
 
濱中 なんと、そうだったんですか! 利用者さんと選手たち、お互いが“作業”を介してつながれる、素敵な関係ですよね。