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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

身体の調整力を育む
地域に根差す体操クラブ

 

コーディネーション能力を身につける

 
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畑山 小学生までを対象にしているということは、その時期までに個人の運動能力の優劣が決まるということでしょうね。
 
今村  おっしゃるとおりです。運動神経は12歳くらいまでに8~9割が形成されると言われているんです。ですから、神経が急速に発達する3歳から、そしてプレゴールデンエイジと呼ばれる5~8歳に多くの運動的刺激を与えると運動神経の発達に効果的だと考えられています。その中では体操はあらゆるスポーツの基礎となるフィジカル面を成長させられるんです。ですからどのスポーツをするにも、体操で運動能力を高めておくことは非常に効果的なんですよ。
 
畑山 なるほど。どのスポーツも頭でイメージしたことを体現するわけだから、その導入として体操から始めるのは理にかなっていると思います。
 
今村 はい、その中で当教室では、オリンピック選手を育てるというより、学校体育をしっかりこなせるように、基本的な運動能力を養うのがコンセプトです。そのためにマットや跳び箱、鉄棒、トランポリンや平均台などを含めた体操の基礎技術を学んでもらいます。そのうえで、自分の体を思い通りに動かすコーディネーション能力を身につけるための運動も取り入れることで、敏捷性や協応性などの調整力を培い、ハイレベルな運動技能を身につけられるような支援をしているんです。
 
畑山 なるほど。敏捷性というのは、ボールが飛んできたら着地点を予測して瞬時に体を反応させるような能力ですよね。協応性という言葉は初めて聞きました。
 
今村 協応性は手と足でバラバラの動きをしたり、異なる動作を同時にしたりできる能力です。
 
畑山 聞けば聞くほど奥が深いですね。運動能力を高めるために幼い頃から体操競技に触れることの大事さがよくわかりましたよ。ところで、アスト体操クラブさんでは児童発達支援・放課後等デイサービスもされていると聞きました。
 
今村 そうなんです。発達障害を持っていて支援が必要な3歳以上のお子さんを対象に、体操指導のノウハウを活かした運動療育を取り入れています。一般の体操教室と分けることで、支援が必要な子どものペースに合わせて体操に取り組める環境を整えているんですよ。
 
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畑山 このサービスをつくるきっかけはあったのでしょうか。
 
今村 私自身、20年以上体操の指導をしてきた中で、発達障害でうまく体操に取り組めない子や、他の子どもに迷惑をかけてしまって、親御さんが教室で見学に来づらくなってしまうケースを見てきました。それで、みんなが気兼ねなく体操を楽しめる環境をつくりたいと思ったんです。そこで保育士の免許を持つ私の妻に、児童発達支援管理責任者の資格を取得してもらい、このサービスを始めたんです。今年で2年目を迎え、少しずつこの療育のことが認知されて、運営が軌道に乗り始めています。
 
畑山 多くの子どもが体操を楽しめる環境が整っているわけだ。発達障害を持つ子の親御さんにとっても頼りになる教室だと思います。奥様の協力も得て、思いを着実に実現する今村代表の行動力は素晴らしいと思いました。