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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

技術力と人のつながりで
左官業界の発展に貢献

 

無限に広がる人の輪が仕事につながった

 
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石黒 お父様のもとを離れ、独立後の事業は順調でしたか?
 
酒井 最初の2~3年はほとんど寝ないで働いている状態でしたね。約3人の体制で仕事を回していましたが、昼に現場で働いた後、夜は仕事関係の人とのお付き合いでした。家にはシャワーを浴びるためだけに帰る、そんな生活でしたよ。
 
石黒 それは大変でしたね。でもそのご苦労を乗り切ったからこそ、今がおありなのでしょう。
 
酒井 振り返ればかなり苦しい時期もあったものの、当時は若くて体力がありました(笑)。あと、先輩から「仕事を仕事と思わずゲームと思えばいい」と教わり、その助言のおかげで気持ちが楽になったんです。そうして踏ん張っているうちに少しずつ人の輪が広がり、プライベートで知り合った方から仕事のご縁をいただくことも続きました。
 
石黒 人の縁は大事ですよね。業界以外の所でたまたま出会った人から、お仕事が舞い込む。それはきっと、酒井社長のお人柄に惹き付けられる人が多かったのだと思います。
 
酒井 飲食店などで素の自分を見てもらえたことが、良かったのかもしれません。仕事で手を抜かないプロフェッショナルの姿勢は当然ながら、幅広い人間関係の構築も非常に大切にしています。業界の方々と付き合うだけでなく、元プロスポーツ選手の方のセカンドキャリアをお手伝いしたり、講師として学生さんに左官の仕事を教えたりといった活動も行っているんですよ。
 
石黒 アスリートから大学生まで、本当に関わる人の幅が広いですね。その講師のお仕事にも、左官業のようなやりがいを感じますか?
 
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酒井 ええ、大学の授業を通して左官に関心を持ってくれた学生さんに、全国大会への出場を勧めたこともあります。時間内にどれだけ壁を美しく仕上げられるかを競う大会で、教え子2人が金賞を受賞したんですよ! 実に誇らしいです。
 
石黒 素敵なエピソードですね! 教える側の酒井社長にもやりがいがあるでしょうし、大会などの具体的な目標があると学生さんたちもより左官に熱中できると思います。
 
酒井 しかもその2人はどちらも女の子でして。男の子も銀賞や努力賞を取れました。みなさんが頑張る姿を見せてくれて感無量です。泊まりがけで指導に出向いた甲斐がありました(笑)。
 
石黒 そうやって若い人たちに自信を持たせて未来の人材をつくる取り組みが、左官業界の活性化につながりそうです。