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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

地域と連携し多様な支援 進化する介護タクシー
株式会社ストロベリーフィールズ 代表取締役 井原智

 
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インタビュアー 宮地真緒(女優)
宮地 静岡県沼津市に拠点を構える、株式会社ストロベリーフィールズさん。まずは、井原社長の歩みから教えていただけますか?
 
井原 前職は消防士でした。高校生のとき目撃した火災現場で、救助活動に当たる消防士さんがかっこ良く、とても尊い仕事だと感じ、自分も同じ道を進もうと決意したんです。17年ほど勤める中で、ほとんどの期間をレスキュー隊として活動しました。東日本大震災の折も、現地で人命救助に取り組みまして、壮絶な状況で最善は尽くしましたが、悔しさを抱えたまま帰ってきたことが未だに忘れられません。
 
宮地 大変なご経験をされたのですね。
 
井原 ただ、その経験があったからこそ、「もっと自分を活かせるところはないか」と模索するようになったと思います。その後、救急車の運転経験や医療の専門知識があることを考え、介護タクシーに辿り着きました。
 
宮地 人命救助で培った知識と技術を、今に活かしておられるのですね。あらためて、一般のタクシーとは違う介護タクシーの特徴を教えていただけますか。
 
井原 介護タクシーは、体の不自由な方やご高齢の方に特化したタクシーです。車椅子やストレッチャーを備えた車で、外出や活動のサポートをいたします。弊社は公的機関とも連携し、通院や入院、転院、病院搬送のほか、お買い物や観光、冠婚葬祭などさまざまな用途に対応していますよ。
 
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宮地 自力で出かけるのが困難な方々の移動を支援されているのですね。
 
井原 おっしゃる通りです。「花見をしたい」とご要望があれば、桜が見られる所へお連れすることもあります。私の強みは前職で鍛え上げた体力で、階段や狭い場所など、ストレッチャーや車椅子では移動出来ない場合でも、布担架ごと利用者様を抱えて運べるのはこの地域で私だけだと思います(笑)。
 
宮地 さすが元消防士さんです! ストロベリーフィールズさんに頼めば、安心して外出できますね。
 
井原 そう言っていただけると嬉しいです。ただ、安全な送迎はサービスとして当たり前ですから、乗車時のご不安を解消するためにもこまめに声をかけ、なるべく会話を多くすることを心がけています。