田中 私は子どもの頃から母が経営する酒屋を手伝っていました。近所の方々も喜んでくれましてね。大手運送会社で宅配便のドライバーになってからも、お年寄りの方のために重い荷物を部屋の中まで運んだり、買い物を頼まれたりするたびに嬉しくなり、休日には洗濯や掃除などもするようになったんです。
吉井 人のために動きたいという情熱があったのですね。
田中 はい。その後、遺品整理や特殊清掃の仕事を知った私は、会社が休みの日に無償で手伝いを始め、人生の最期をきれいにする仕事の素晴らしさを実感したんです。そして、2021年に個人事業として独立し、昨年2022年12月に法人化を果たしました。現在、遺品整理や特殊清掃、ゴミ屋敷のお片付け、空き家整理などを展開しています。この業界には遺品をただのゴミとして捨てる業者も多いです。しかし、弊社ではまだ使える物は救援物資としてフィリピンに送っています。
吉井 すると、処分費も安くなりますよね。
田中 遺品の8割は輸出できるので、ゴミを減らし料金も抑えることができるんですよ。そのようなことが可能なのは、地域を走り回ったドライバー時代に築いてきた人脈があるからこそです。「仙台にある実家のお片付けを田中さんにお願いしたい。知らない地元の業者に両親の遺品整理を頼みたくない」と任されたことがありましてね。数多くの業者の中から私を選び、頼ってくださる方に笑顔になっていただけると、心からやりがいを感じます。
吉井 まさに天職ですね! 田中社長の気持ちはお客さんにも伝わっていると思います。特に、忘れられないエピソードは?
田中 故人様のお部屋で1日分だけ新聞を見つけました。普通なら捨ててしまいそうな新聞紙ではあるものの、娘さんに確認すると、その娘さんが誕生された日の古い新聞で、故人であるお父様が大切に記念として保存していたものだとわかったんです。娘さんにお返しすると涙を流しながら感謝の言葉をかけてくださいました。遺品整理の仕事には、このように物が語っていることに耳を澄ませる能力が欠かせないんですよ。
吉井 誰かが見ていても見ていなくても、人の気持ちを汲み取って遺品を整理してくださる田中社長なら安心してお任せできますね。今後のご活躍を応援しています!
吉井 誰かが見ていても見ていなくても、人の気持ちを汲み取って遺品を整理してくださる田中社長なら安心してお任せできますね。今後のご活躍を応援しています!
「仕事を楽しむ」とは‥
一人でも多くの方と出会えること。その方の人生の思いに触れて、どのようにお片付けすれば喜んでもらえるか考えています。弊社の作業品質を喜んでいただくことが、仕事を楽しむことにつながっています。
(田中寛之)