ライフラインを支える水道工事の仕事に感動
吉岡 私は東京都青梅市で生まれ育ちました。ニッカポッカを履いて汗を流す姿にあこがれて、十代で鳶職人の世界飛び込んだんです。ただ、若かったので仕方ないものの、与えられる仕事も雑用ばかりで、ただ毎日淡々と仕事をするだけでおもしろくはなくて・・・。そんなときにたまたま現場で一緒になった水道工事の職人が、泥だらけになりながら臨機応変に配管をしたり水道施設を組み立てたりしているところを見て、おもしろそうだと感じたんです。
水野 高所で颯爽と仕事をする鳶職とは、また別の魅力を見出したわけですね。
吉岡 ええ、人が生きるうえで必要な水、生活に必要なライフラインを支える仕事に感動したんです。そこで水道やガス工事の会社に転職しました。そこは道路を掘り返して管を埋設する公共工事が中心の会社でした。やがて結婚を機にこの船橋へ移り住みまして。住宅や店舗など、よりお客様の暮らしに身近な場所の施工をするようになり、ますます水道工事の奥深さを知りましたね。
水野 同じ水道工事でも、道路と住宅ではどのような点に違いがあるのでしょう。
吉岡 道路の工事は、本管を敷設するなどそれぞれの敷地に管を引込む施工などが主になりますが、建物の工事では引き込まれた管をさらに建物まで敷設したり、建物内外に水道管・排水管を敷設したりするのが主になります。当時、仕事を教わっていた方に「ただ目の前の管をつなぐだけでなくゴールを見据えて、何のために何をしているのか考えて工事をする」という心構えや、知識や技術を教わりました。すると、ますます私の中で水道工事がおもしろくなり、「もっと上手になろう・なんでもできるようになろう」という意欲が湧き上がってきたんです。
水野 その意欲が独立への道を切り開いたようですね。
吉岡 はい。もともと私は親方として現場に立つことを目指していたことに加え、現場で仲良くしてくださった左官工事の親方が会社を切り盛りする様子を間近で見て、開業し自分もやってみたいという気持ちがさらに高まりましたね。