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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

諦めない心と代替医療で
がんの克服に魂を込める

 

国立病院を離れ、命を諦めない医師を目指す

 
前山院長の著書『末期がん逆転の治療法』(幻冬舎)
著書『末期がん逆転の治療法』(幻冬舎)
石黒 独立までの歩みも簡単に教えていただけますか?
 
前山 独立したのは2004年で、それまでは勤務医をしていました。国立病院時代は、がん領域の内科医として主に抗がん剤治療をしていたんです。
 
石黒 がんの内科医は病院でも花形ですよね。なぜ独立しようと思われたのでしょう。
 
前山 国立病院の治療は、標準治療という、いわばマニュアルに従った治療になります。それはがん患者さんに対しても同じで、標準治療にないことができません。つまり、患者さんの希望を挟む余地がありませんでした。それは私の理想とする医療とズレがあったんです。
 
石黒 勤務医としてのやるべきことと、医師としてやりたいことで、ジレンマを感じられたんですね。
 
前山 ええ、標準治療を守るよりも、目の前の命を助けることが私の望む医療でした。実際、標準治療に基づく診断では余命1ヶ月だった患者さんが、あらゆる可能性を模索した結果、1年1ヶ月延命した事例もありました。その事例に触れて、私は「極めてまれだと言われているがんの自然治癒も、努力次第で可能性を高められるのではないか」と考え、独立しようと思ったんです。
 
石黒 それは国立病院の医師という立場よりも、前山院長には価値のあることだったんですね。すごく胸の熱くなるお話です。さまざまな治療法を独自に開発されたのも、その思いがあったからなのでしょう。
 
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前山 ええ、例えばこのMKヨード療法がそうですね。ヨウ素にがん細胞を叩く力があると言われているものの、元素自体が持つ毒性が問題でした。そこで私はヨウ素と水素を結合させることで、毒性のないヨードによる治療法を開発したんです。
 
石黒 うがい薬として有名なヨウ素が、がん治療でも活躍するとは初耳です!
 
前山 日本ではまだ無名ですが、世界で注目されている治療法なんですよ。各種がんや血行障害、アレルギー疾患、エイズを含むウイルス性疾患、てんかんなどの脳疾患などへの対策として、中国や韓国でもMKヨードが用いられています。
 
石黒 いずれも根治が難しいとされる病気ばかりです。現在悩んでいる方にとって、光明となる治療法になるかもしれませんね。