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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

自然を活かす造園の匠が
魅せる庭園や外構を提供

 

世界観を変えた“造園”と“園芸”の融合

 
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杉田 私も東海豪雨の被害をニュースで見て、とてもショックを受けたのを覚えています。復興まで数々の苦労があった中で、山門社長は将来の道を見つけられたわけですね。その後のご経歴も教えて下さい。
 
山門 その会社では制作した造園が愛知環境賞で銀賞を受賞したり、万博公園の緑地改修工事に携わったりするなど、貴重な仕事をたくさん経験することができました。最も大きかった転機は、2014年にイギリスで行われた世界最高峰のフラワーショーであるチェルシー・フラワーショーへの参加です。
 
杉田 ガーデニングの本場、イギリスでのフラワーショーに参加とは、また思い切りましたね!
 
山門 私自身、そんな世界的な大会に参加するなんて夢のまた夢と思っていました(笑)。でも、以前、交通事故で生死の境をさまようケガを負ったことがあったんです。その時に、「このまま何もしないまま死んだら後悔ばっかりだ」と考え、挑戦を決意しました。そして、当時所属していた会社から活動の許可を得て、日本の著名なガーデンデザイナーである石原和幸先生のチームに加入させていただいたんです。ショーではゴールドメダルおよびベストガーデン賞を受賞しました。私もスタッフの一員として、誇りに思っています。
 
glay-s1top.jpg 施工の例。下はブルーベリーの生垣付きデッキ
施工の例。下はブルーベリーの生垣付きデッキ
杉田 ええっ! そんなに大変な事故に遭われたんですか!? でも、そのケガを乗り越えて素晴らしい経験を積んだわけですね。過去に壮絶な経験をしてきたからこそ、がむしゃらに頑張れたのだと思いますよ! 優れた職人さんやデザイナーさんから学んだもの、そして世界という広い舞台で戦った経験から得たものは大きかったのではないですか?
 
山門 私が持っていた固定観念がすべて覆りましたね(笑)。例えば、造園には石の向きや木の位置に関する一定のルールがあるんです。でも、もともと花や植物そのものの美しさを追求する園芸家であった石原先生は、そのルールに縛られず“美”を一番の基準にしていました。その柔軟な発想は、私の世界観を大きく広げてくれましたね。
 
杉田 なるほど。木や石などの配置や設計を主とする“造園”に、“園芸”の発想も加わって、山門社長ならではの作風に昇華されたんですね。
 
山門 おっしゃるとおりです。そこから、造園や園芸の良いところをチョイスして、自分なりの意識を持って制作に取り組むようになりました。