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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

幼児教育の経験を活かす
キャリアコンサルタント

 

“何歳でも人は人”と知った幼児教育の経験

 
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杉田 “人の専門家”ということは、小野社長は、“人”に興味をお持ちだったのですか?
 
小野 “人”というよりも、“大人”でしょうか。私は小さい頃から「大人ってなんだろう?」という疑問を持ち続けていました。でも、周囲にその疑問に応えてくれる人がいなかったんです。それで、「自分が大人になり、親になったら、子どもにしっかりと向き合って話を聞いてあげられる人になろう」と思ったんです。結婚後に授かった2人の娘たちを育てる際も、どんな時でもまずは話を聞くことを心がけました。
 
杉田 それが現在のお仕事の原点だったんですね。でも、そこからどうしてキャリアコンサルタントの道に進まれたんですか?
 
小野 子育てが一段落付いた時、娘たちから「私たちは十分に育ててもらったから、これからは自分の人生を考えてね」と言われたんです。それまでずっと子育てを目的にしてきた私にとって、「この先も人生は続いていくんだ」ということに初めて直面して、ショックを受けたんですよ。それで、娘たちが提案してくれたCDAの勉強をして、資格を取得しました。
 
杉田 お母さん思いのお嬢さんですねぇ。子育てという大仕事をやり遂げた達成感で燃え尽きてしまっていたかもしれない中で、そこから自分自身と向き合い、新たな一歩を踏み出せたのはすごいですよ!
 
小野 ありがとうございます。ただ、一歩ずつ、というのは今も変わりませんね(笑)。人と関わる職業である以上、自分自身と向き合うことを止めてはいけないと考えています。
 
杉田 人と関わると言えば、キャリアコンサルティングとともに幼児教育も手がけていらっしゃるとうかがっています。子育てにも通じるものがありますね。
 
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小野 そうですね。幼児教育では、子どもたちに何かをしてあげたり、一方的に与えたりするのではなく、自分で考えて答えを見つけられるようにサポートしています。相手の話をしっかりと聞き、相手が答えを探す手伝いをする。それはキャリアコンサルティングでも同じだと、私は考えているんです。
 
杉田 答えを見つけられるように導いてあげるのは、相談者本人の成長にもつながると思います。お話をうかがっていると、人材育成と子育てや子どもたちの教育は、共通点が多そうですね。
 
小野 本当にそう思います。年齢がいくつであっても“人”は“人”ですからね。もちろん年齢だけでなく、性別や個性が違っていても一緒です。例えば、私は働く女性へのサポートも行っています。でも、そこに「女性だから」という意識はありません。私はキャリア=人生と捉えているので、あくまでも一人の“人”として、周囲の人たちみんなが幸せだったら良いなという思いが根底にあるんですよ。