役柄が感じたことを表現する
一つひとつ丁寧に演じる
初めての舞台で主演を務めたことは、私にとって大きな転機になりましたし、一番自分を成長させてくれた役だと感じています。主演ですから、最初から最後まで私が関わるお話の中で、考えなければいけないことが本当に多かったです。それまでは、自分の演じる役について考え抜いたうえで現場に立っていました。でも、主演となるとほかの方が演じる役についても理解を深めなければいけないと学んだんです。
当時は新型コロナウイルスの影響で稽古時間も限られていました。その中で得なければいけないことが多かったので、集中力も研ぎ澄まされたと感じています。また、映像作品ではシーンごとにカットがかかります。その際に気持ちを切り替えることができるのですが、舞台は一度スタートしたら終わるまで止まりません。その分緊張感も大きかったですし、長時間集中しなければいけないんです。
大変な経験も多かったのですが、観客の方々が目の前にいて、真剣に観てくださっていたり、楽しんでくださっていたりするなどの反応がリアルタイムでわかるのがとても楽しかったです。映像作品とは違う、舞台作品のおもしろさを実感しました。最後には感想も聞かせていただく機会があり、とても新鮮でいい経験になりました。
今年はすでに3つのドラマ作品に出演させていただきました。その中で『ブルーモーメント』と『マル秘の密子さん』は撮影時期がかぶっていたんです。私にとって複数の作品に同時に参加するのが初めてだったので、学んだことは多かったですね。どちらもしっかり集中して演じなければいけないという責任感も増したように思います。
今ふり返ると、反省も多いです。『ブルーモーメント』で演じた役は難しいセリフが多く、現場でもずっと練習するくらい時間をかけなければいけなかったんです。その分、別のところで集中力が足りていなかったんじゃないかと今は思っています。もともと、一つひとつ丁寧に演じていくことは心がけていましたが、今後はもっと意識して丁寧に取り組みたいですね。