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スペシャルインタビューSPECIAL INTERVIEW

 
 
2020年東京オリンピックより、オリンピック競技となったスポーツクライミング。昨今では趣味で取り組む人も増えてきており、知名度も高い。ただ、スポーツクライミングの細かいルールなどはまだまだ知らない人が多いだろう。そんな人たちに、どのように観戦を楽しんでもらいたいかお聞きした。
 

やってみて初めてわかる楽しさがある

 
細かいルールはとても難しい競技ですが、結果は単純明快です。登り切れるかどうか。選手が登り切れるかというハラハラを楽しんでもらえたらと思います。パッと壁を見たときに、どう登るのかは全然わからないと思いますよ。そこから登れるんだという驚きもあるでしょう。僕ら選手でも、一見しただけではどう登れるのかわからないことが多いです(笑)。実際にやってみないとわからないんですよ。
 
観戦していると、基本的に選手の背中しか見えませんよね。「なんでそこで足を滑らせるんだろう」「なんでそこを掴めないんだろう」と疑問も多く出てくると思います。だから、選手に近い目線の映像があれば、より楽しめるのかなと思っています。
 
できれば、実際にクライミングをやってみてほしいですね。やってみないとわからない楽しさが本当に多いんです。クライミングは、性別や年齢を問わないボーダーレスなスポーツです。その人それぞれに合わせたレベル、登り方で楽しめるんですよ。それもクライミングの魅力の一つです。だから、興味を持っている方はぜひ飛び込んでみてもらいたいと思っています。
 
選手を目指している人であれば、大事なのは集中力を切らさないことと、精神面を整えること。この世界には、強くて才能のある人が大勢います。でも、その中で結果を残せる選手は一握りです。練習ではとても強いのに、なかなか大会で結果を残せない人もいますし、逆に本番にとても強い人もいます。選手としては、本番で強いほうが絶対に良いですよね。プロとして、たくさん練習をして体を整えるのは当然のことです。そのうえで結果を出せるかどうかは、当日の精神面次第なのかなと最近は思っています。
 
僕自身は、やっぱりもう一度世界の舞台で優勝したいと思っています。まだ獲っていないタイトルの一つにワールドカップの年間チャンピオンがあるので、それが今の目標ですね。覚悟を決めて、残りのシーズンに全力を注いでいきます。
 
 
(インタビュー・文 中野夢菜/写真 Nori/ヘアメイク 堀奈津子(M))
 
 

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藤井快 (ふじい こころ)
1992年生まれ 静岡県出身
 
中学生のときにクライミングを始め、学業修了後はクライミングジムに勤めながら競技を続ける。2016年、国内第11回ボルダリングジャパンカップで初優勝を飾り、同年のIFSCクライミング・ワールドカップ(B)ナビムンバイでは海外初優勝するなど、躍進を続ける。2021年にプロに転向してからも、第16回ボルダリングジャパンカップで優勝を果たす。現在もワールドカップ年間チャンピオンを目指し邁進中。

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(取材:2023年11月)