来年には東京オリンピックの開催が迫っている。スポーツキャスターとしての、今後の抱負についてもうかがった。
視聴者の声を代弁したい
これからも冬季オリンピックは、できる限り現地に取材に行きたいですね。僕はメジャースポーツ出身ではないので、野球やサッカーについてのコメントでは専門的なものは求められていません。
専門外のスポーツについてコメントするときに気をつけているのは、スキーとの共通点を探すことです。そうすればみなさんにわかりやすく伝えられますからね。また、視聴者の方々の代弁者になろうと心がけています。テレビを見ているときに、出演者が自分を同じ意見を言っていると、安心すると思うんですよ。だから、常に視聴者のみなさんの声を代弁できればと思っています。
一方で、スキーなどのウィンタースポーツでは的確なコメントをすることが求められます。だからこそ、ウィンタースポーツについて語るときは、選手にとって少し厳しい意見を言うこともありますよ。
また、東京オリンピックもすぐそこに迫っています。そこでも、ぜひキャスターとして仕事をしたい。ただ、サマースポーツ出身の素晴らしいキャスターの方がたくさんいるので、極めて難しいチャレンジかもしれません。それでも諦めずに挑戦します。今後も試行錯誤しながら、この仕事を長く続けていきたいですね。
(インタビュー・文 中野夢菜/写真 Nori/ヘアメイク 天野郷子/スタイリスト 寒河江健)
荻原次晴(おぎわら つぎはる)
1969年生まれ 群馬県出身
小学生の頃からスキージャンプを始め、大学自体には全日本強化指定選手に。1994年の全日本選手権で3位になると、翌年1995年の世界選手権では、団体金メダルを獲得。1998年には長野オリンピックに出場し、個人で6位入賞、団体では5位入賞を果たす。引退後はスポーツキャスターとしてメディアに多数出演。著書に『次に晴れればそれでいい』(TOKYO FM出版)、『荻原健司-栄光と苦悩』(文春ネスコ出版)がある。
(取材:2019年11月)